最初に考えたこと 〜 今考えていること

・最初に考えたこと

 大地震が発生した3月11日、その日から2泊3日の日程で京都に滞在する予定でした。東本願寺で開催される『宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌』の「いのちとことばの響(KYOU)舞台」をメインに据えて、観光し、買い物し、誘い合わせた友人たちと飲む計画でした。

 昼頃に上賀茂神社でお参り(皮肉なもので世の静穏を祈願)などした後、15時に京都駅のホテルにチェックイン。雨まじりの寒い日だったので、部屋に入って身体を暖めようとしたところに、大きな横揺れを感じました。咄嗟にテレビをつけると、たくさんの自動車がどんどん波に呑み込まれていく。その映像に呆然。何よりこの揺れが遥か遠くの宮城から伝わってきたことが信じられなかった。

 これは巨大地震、大災害に間違いなし。この時考えたことのひとつは、状況がどのように推移していくのか、メディアがどのように報道するのか、等々を、まずは数日間でもじっくり観察しようということでした。

 と言うのも、阪神淡路大震災の直後も、福知山線事故のときも、911のときも、長期間日本を離れていたからです(いずれも2ヶ月以上)。「肝心なときにいつもいない」と人からよく言われます。なので、大事故や大事件が起きた際の日本の状況、特に情報の流れのようなものを知らないのです。今回すぐに何か具体的行動を起こせる余地がないことも明らか。ならば慌てて発言するよりも、まずは知ること、学ぶこと、考えることに専念しようと決めたのでした。

・見ながら考えたこと

 11日のそれ以降は、安否をやり取りした以外は、ひたすらテレビ視聴。夕方には、イベント関係者から「リハーサル前に明日の中止を決定した」と連絡あり。外出する気分でもなかったので、駅ビル内で夕食をとり、ホテルに明日の予約をキャンセルし(非常時ということでキャンセル料を免除してくださったホテルに感謝)、後は深夜までテレビに釘付けになっていました。

 翌12日に帰宅して以降も、ほとんどテレビとインターネットを見続けています。そのおかげで分かったことは多いのですが、テレビやネットの限界についてもいろいろ考えさせられました。とにかく被災地や首都圏の実情がある程度までも把握しきれないのです。直接聞く話との違いや温度差も感じてしまって、何か発言しても、それが誤っていたり、立場によって受け止め方がかなり違ったりするのではないかと思うようになりました。なので、少なくとも誤ったベクトルに加担するような可能性は避けようと考え続けていました。

 自分の Blog や Tweet の読み手が誰なのかということを、今回はずいぶん考えました。ひとつのことを書いても、被災者や首都圏住民を含めた東日本の方と、それ以外の方とでは、解釈や感じ方が決定的に違うだろうと思います。関西にいると、そこのところがなかなかすぐには見えてこない。ひとつの発言にも慎重にならざるを得ないことが、「慌てず観察する」別の理由として加わりました。

 もうひとつ思ったのは、どこかで情報漬けから幾分かでも抜け出す必要があるということです。寝不足にはなるし、気は滅入るばかりだし、何にも手が着かない分だけ生産性が下がる。これではいけないと思って、少しだけ動いたことは昨晩までに書いた通りです。日常行動をすることや、人と会って話をすることの重要さを再確認したのでした。

・今考えていること

 しかし、災害規模がとてつもなく大きいことが明らかになって、これはもうどこに住んでいるかなど関係なく、日本に住む人々全員が当事者になってしまったという実感を持っています。

 復興に国力が奪われ、産業・経済は低迷、それが長く続くことはもう避けられないでしょう。そしてそれは確実に私にも大きく影響します。

 少し気の早いことを書いてしまうと、これから国のあり方が大きく変化するだろうし、一人ひとりの生き方・暮らし方も激変するはずです。人口の再分配がある程度始まるだろうし、誰もが幾多の我慢を強いられることでしょう。

 ですが、今回の事態は多くの人が予期していたのではないでしょうか?

 さすがにこれほどの規模を予想できた方はいないかも知れませんが、いつか大地震が発生する、いつか原発事故が発生する、いつか都市機能が麻痺することは、多くの人々が知っていたはずです。東京圏への人口集中は限界を超えているのに、それを分散させることができなかった。原発は危険で「安全神話」は詭弁であるのに、膨大なエネルギーを消費するライフスタイルを捨てられず、結局原子力に頼るしかなかった。ある意味日本は時限爆弾の上に乗っているようなものだと分かっていながら、それをずっとごまかしてきた。

 そうしたツケを一緒に支払っていく時代に進んで行くのだろうと思います。被災者の方々の姿に心を痛め、刻々と変化する状況を見ながら、新しい生き方も模索していかなくてはならない。そのような心づもりも必要になってくるのではないでしょうか。(私は人生設計の変更を始めました。)

 正直なところ、テレビに映し出される映像になかなか現実感を持てません。ですが今回の事態は、日本に限らず世界を変える、世界の人たちの生き方にさえ影響するのではないだろうか? そのようなことまで考えています。



(この緊急時にアクセスが減らないのが不思議で、求められているが音楽情報なのか、近況なのか、大地震関連なのかも分かりません。恐らく大地震以降ネット漬けになっている人が、ついでにアクセスして下さるだけなのだろうと推測します。折角の機会なので、個人メモを少し離れて、ここ数日間の雑感についてちょっとだけ読み手を意識して書いてみました。)
by desertjazz | 2011-03-15 19:30

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