日記

 近所に美味しい和食の店があると誘われて行ってみる。名前は「酒肴 和亭(なごみてい)」。外見は鄙びた居酒屋風。昼間、センス悪い旗竿の横で弁当を売っていたことを思い出す。中に入ってみると10人程度で一杯になってしまう狭さで、内装も冴えない小料理屋風だ。しかし、お品書きを見ると、そこそこの値段の料理ばかりが並び、壁には「食べログ ベスト2010」と堂々掲示されている。何だか見た目とのギャップを感じて興味が沸き立つ。

 品書きで最初に目が行ったのはノドグロ。食べたいけれど、2480〜5000円。初ものの店でこれは危険な冒険だと思うし、それ以前に手が出ない値段なので我慢。迷っていると、お店の方が「楽」というコース(3500円)がお薦めだと言ってくる。ほとんどのお客さんがこれを注文するそうだ。それではとアドバイスに従ったのだが、これが正解。6品か7品くらいのコースだった。味はかなりのもので、値段を考えればそれ以上に満足できる(ただし、出汁使いが絶品の霞町すえとみや心斎橋の光悦にはとても及ばない)。

 料理の味よりも楽しかったのは、盛り付けの凝り方。まず先付けは、スライスした黄トマトの上に燻した肉厚の帆立を乗せて、桂剥きした大根で包み、金箔など色味のあるものをトッピング。ソースはイチゴベースのもの。飾りつけが美しくて、箸をのばすのをためらうくらいだった。続くお造りは2品。特製ポン酢でいただくヒラメ。桂剥きした大根の筒の中にロウソクを据えている(ネットで探すと写真があった)。もうひとつはサワラで、茗荷との取り合わせが良かった。

 料理はこのような具合で続くのだが、それぞれの料理に合った日本酒を出してくれるのもこの店の良さだと思う。時節柄、東北の酒を中心にいただいたのだが、どれも単に舌も喉も喜ぶ美味さだっただけでなく、確かに一品ごとの相性もぴったりだった。

 この店、大阪で一番良い魚を仕入れていると自負しているそうだ。けれども、酒のレベルや盛り付けのセンスの方がそれに勝っている、という感想は贅沢すぎるか? 例えば「かむなび」と較べると、ものによっては味はこちらの方が上だが、メニューの面白みやお店の雰囲気ではかむなびが勝ち。けれども、ここにはこれからもお邪魔することだろう。自宅から数百メートル圏内の料理店のレベル、やっぱり恐ろしいくらい高い。





by desertjazz | 2011-04-08 23:59

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