2011年 04月 11日
日記 & 読書メモ

2冊読了。
・木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』
新書としてもコンパクトな作りの本だけれど、紹介されている作品をどれも読んでみたくなる。その意味では良いガイドブックだ。選ばれた作家たちの中に、祖父母から語り伝えられた影響、幼少時の読書熱、中南米内で移り住んだ経歴、スランスやスペインでの生活など、共通項が認められることが興味深い。
ガルシア=マルケス『百年の孤独』『族長の秋』、バルガス=リョサ『緑の家』、アジェンデ『精霊たちの家』の読書体験は自分にとっても貴重なこと。これらの作品は読書の醍醐味に満ちている。また読みたい。
未読作品の中で一番惹かれたのは、フリオ・コルタサルの『石蹴り』。ネットで調べたら現在品切れで、古本も文庫2冊(上・下)で ¥12000。図書館で探すのも億劫なので、復刻されないものだろうか。
・白戸圭一『日本人のためのアフリカ入門』
誰にとっても分かりやすい事例を用いて、日本人の「まなざし」を補正するきっかけ作りをしようという姿勢が貫徹している。確かに「まなざし」が曇っていては、いくらアフリカについて学んでも正しい理解には結びつかない。白戸さん、さすがだな。
後半は、アフリカの経済発展、台頭する中国、TICAD に対するアフリカからの批判が、興味深かった。自殺率を指標にして、日本がソマリアよりもストレスの高い社会であるという指摘も面白かった。
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思い出すのは10年ほど前のフェミ・クティの発言。「アフリカは貧しいので楽器を買えない。だから皆ラップばかりやる」(大意)。しかし、これだけ急速に経済が潤ってくると、また新しいアフリカン・ポップが登場する可能性は高いのではないだろうか。モダン・フォーク風のアーティストは増えているし、クドゥロも注目されているが、もっともっと斬新なサウンドが現れてくるのでは。いや、単に自分が聴いていないだけなのかも知れない。
そのようなことを考えている最中、今日もアフリカが騒がしい。リビアからは「カダフィ停戦」、コートジヴォワールからは「国連部隊と仏軍がバグボ邸を爆撃」の報が…。
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震災から1ヶ月。深夜に書いた通り、原発事故というこれほどまでに大きなことが起きてもまだ、論理的に考えず、誤った自分の都合の枠内に現実を押し込めようとする者々が実権を握っていることが、ただただ不気味で恐ろしく絶望的な気持ちになる。
震災や原発事故に関しては、何を書いても肝心なことを漏らしているような気がする。やはりそれだけ甚大だということなのだろう。(追記: それと、少し調べただけでも、読んでいて目を疑うような事実が次々飛び込んでくることも大きい。現場にはまだまだ伝わってこない悲劇が山ほどあるのだろう。)
1ヶ月経過したので、出来ればもう少し楽しいことも考えるようにしたい。自分が今興味があるのは、良い本を読むことと、美味しいものを食べることと、旅について考えること。先月書けなかったそうしたいくつかも少し振り返ってみようかと考えている。
外食が続いたので、ここ数日は賞味期限切れの食材(ショートパスタや調味料など)を片付けてしまおうと考えて引っぱりだし、アドリブで創作料理を作っている。これが結構楽しい。そうした合間に書いたブログ日記何本かのうちの一部をまとめてアップ(どなたが読むのか分からないけど…)。
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