2011年 04月 16日
Koutoubiaphone
最近時々聴いているのは、El Sur Records がモロッコのクトゥビアフォン音源をコンパイルした CD-R "Koutoubiaphone Berbere 7inch Special!"。これはサラーム海上さんが先のモロッコ旅行で発掘した7インチ盤をまとめたものだそう。正確な録音年代は不詳のようなのだが、40〜50年くらい昔の音楽なのではないだろうか?
聴いて感じるのは、土臭い印象の音の質感、そしてこの当時のモロッコ大衆音楽の幅広さだ。トラックごとに異なる趣であり、しかもあまり馴染みのないスタイルが多いだけに、聴く度に発見があってとても面白い(書いておきたいことが次々浮かんでくるのだが、今日は短めにしておこう)。トゥアレグ直系の歌に始まり、いかにもアフリカ民族音楽的なコーラスから典雅なオーケストレーションまで様々。恐らく現在では容易に聴くことのできない種類のものも多いのではないだろうか。
個人的に一番興味をそそられたのは Fars Bakchiche の 'Rzem Iaammic'。早口で強烈にコミカルな語り物で、これは昨年自分がマラケシュで見つけた音源と同種のもの。ということは、こうしたスタイルの語り芸のようなものを演じる者はそれなりの数がいたと考えてよいのかも知れない。
モロッコ大衆音楽の奥深さに触れてますます興味が膨らんできたのだけれど、全体を俯瞰するようなレコードや文献がまだ探せないでいる。ネットで探せばモロッコ音楽に関するページもそれなりに見つけられるものの、大抵はポップに関するもの。少なくとも日本語で書かれたものに期待するのは無理なのかな。多分フランス語の文献や仏盤レコードを探した方が早いはず。まあ、じっくり当たってみよう。
(今日は思いついて The Toraia Orchestra of Algiers の10インチ盤 "Music of the Arab People : Morocco - Algiers - Tunisia" も聴いていた。取りあえずはモロッコ音楽の CD をチェックすることが先決かな?)
こうした音楽に出会うと、またモロッコに行って現地の音に浸りたくなる。昨年の旅行では砂漠行きと山岳トレッキングが次のテーマとして残ってしまったし。諸条件が重なって年々海外旅行がしずらくなる。今年は 3.11 以降、旅行への障壁がまたいくつか増えてしまった。けれど、意味のない自粛などする気はないし、自分へ栄養を与えるためにも旅することは必要。計画し始めていた今年のアフリカ旅行は無理そうなのだけれど、落ち着いたらまたアフリカ旅行についてモロッコも含めて再検討したい。
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