2011年 04月 22日
読書メモ

少し寝坊して6時半に起床。今日は2冊読了。
・『アフリカ四半世紀の物語を撮る』(中野智明=写真、沢井俊光、金子大=編著、つげ書房新社)
アフリカをテーマにした共同通信の企画記事を集めたもので、過去20年ほどの大陸の負の側面を振り返るには手頃な本。その分「現在」に対する即応力のようなものは幾分失われているが、中野氏の写真を見つめるだけでも感じるものは多い。
中野さんは現場を観たい/伝えたいという好奇心と情熱のかたまりのような人、というのが個人的な印象。そうしたものを持っているからこそ、これだけ広いフィールドを歩いてこられたのだろう。アフリカの危険地取材に関しては日本人で彼を越える存在はいないはずだ。
知人の仕事がこうして伝わってきたことは嬉しい。またいつか中野さんと一緒にアフリカで酒を飲みたいものだ。
・『コルトレーン ジャズの殉教者』(藤岡靖洋、岩波新書)
コルトレーン研究の世界的権威が書いた新書。この巨人のポジティブな面を中心に、経歴や代表作について鮮やかにナビゲートしていき、長年のファンでも興味が膨らむ。同郷意識や女性遍歴がコルトレーンに与えたものの指摘も面白い。知らない話も多い(例えば、隠し子?がいたことなど)と思って読んだのだが、近年の調査結果がかなり取り込まれているようで、単なる新書以上の読み応えがあった。
コルトレーンとアフリカの繋がりが深いことを思い起こさせてくれるのも、この本の特徴。これまで自分はそうした面をあまり意識して聴いてこなかった。黒人意識が強く込められた "The Africa Brass Sessions, Vol.2" 収録の 'Song of the Underground Railroad' なども、この本に書かれているような意味があったなんて知らなかった。
考えてみると、コンプリート・コレクションを目指した最初のアーティストがコルトレーンだったと思う。幸いなことに、アナログ盤時代に全てのリーダー作(ブートや私家版も含めて)とほとんどのゲスト参加作を手に入れることができた。けれども、愛聴したのはアグレッシブな Impulse 盤ばかり。読んでいてそれ以前の Prestige, Blue Note, Atlantic 時代の作品群の素晴らしさも思い出した。
まずは "The Africa Brass Sessions, Vol.2" を聴きながらブログを書いている。この後は57〜60年頃の録音作品を聴き直してみようか。
#
#
#