Gil Scott-Heron 'We Almost Lost Detroit'

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 先月27日にギル・スコット・ヘロン Gil Scott-Heron が亡くなった。周囲でも話題になっており、悲しみの深さが伝わってくる。昨年16年振りに新作をリリースしたばかりだったので、その分驚きも大きいのだろう。

 彼の名前を聞いて自分が最初に思い浮かべるのは 'The Bottle' だが、福島第一原発事故以降は 'We Almost Lost Detroit' が再び注目されている。先日もひとりの友人が「これを見て」とメールしてきた。リンク先を読めば、その意味はすぐに分かることだろう。サウンドはポップで美しいが、そばに立つ原発のせいでデトロイトの街が失われる恐怖を歌っている。

 1979年4月のスリーマイル島原発事故の後、そのリンク先でも紹介されている MUSE(原発反対運動に共鳴するミュージシャン団体)は同年9月(9/19〜9/23)にニューヨークのマジソン・スクゥエア・ガーデンで "NO NUKES" という大コンサートを開催した。その模様は LP 3枚組で発売もされた。

 そのアルバムにもギル・スコット・ヘロンの 'We Almost Lost Detroit' が収録されていることを思い出し、先日久し振りに聴いた。彼はこんなことも書いている(ライナー日本語訳からの抜粋)。

「石油危機と原子力の問題は、麻薬中毒者と売人の関係のようなものを我々に投げかけた。つまり我々にはそれが必要、奴らがそれを持っている、ということ。奴らは太陽熱を利用すると金もうけができない、なぜなら、もし太陽熱の設備がととのったら、我々に必要なのは太陽で、太陽ならいつでも手に入るからだ。」

 このアルバムを買ったときは、豪華なアーティスト陣、とりわけブルース・スプリングスティーンのライブを聴けることを素直に喜んでいた。今は、まさしく自分自身の問題として聴かざるを得ない。


 R.I.P.


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 だが、 'We Almost Lost Fukushima' が現実化しつつある今、彼は安らかに眠ることができたのだろうか?


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by desertjazz | 2011-06-01 19:00

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