無価値化する世界(4): 追記

・核開発は廃棄物の処理方法がないまま始まった。恐らく走りながら考えれば答えが見つかるとでも思ったのだろう。しかしその後何十年研究してもその答えを見出せていない。核廃棄物の最終処理は不可能という見方ばかりが強まっている。ガラスに封じて地方の地下に埋めるだとか、何億年も安定しているフィンランドの地層を掘って保存するだとか言っているが、無害化するまでには数万年〜100万年もかかる。その間事故も被災も全くなくて済むと考える方が狂っている。はっきり言って大量の死の灰を処理する方法はないのだ。それでも原発は動き続け、増え続けている。(何度も言っていることだが、昔からこのことが承服できない。)

・「原発作業員 新たに6人が上限以上の被曝」、また今頃こんなことを言っている。チェルノブイリ以上の重大事故を起こしたことだけで、すでに東電も日本国も原発を管理する能力がないことを世界に示してしまった。さらに無能さを強調したいのか、事後処理のボロボロさ加減を公表するのも日課と化している。予想した通り IAEA などでは「日本外し」が始まった。

・東電も関電も「計画的停電を回避するために節電を」と呼びかけているが、これは「原発が必要だ」という大ウソを刷り込みたいがための発言にしか聞こえない。もしかしたら当事者にそのつもりはないのかも知れないが、(簡単に言ってしまえば)原発を全部止めても、電力を自由化すれば、T社とM社とH社以外は困らない。

・これから必要なのは自然エネルギーの活用と発送電分離(東電は解体しないと補償金捻出も不可能)と売買電の活性化。

・今後日本の人口は減って行く。その分だけ電力受容も少なくなっていくべきだ。省エネと合わせた電力需要の低減予測に沿った発電計画を望む。

・最近の菅直人降ろしの声は、彼の電力改革を阻止することが目的だとする指摘が多い。果たしてそうなのか証拠がなくて分からないが、多分そうなのだろう。

・「伊首相 原発との決別を表明」。台湾やドイツに続いてイタリアも。…ということは、日本の政治家はあのベルルスコーニよりもダメなのか。やっぱり日本は超三流国(嘆息)。




・一昨日から谷崎潤一郎の『細雪』を読み直している。上巻半ばでの京都の桜の描写が美しい。この世界がいつまでも守られて欲しいと願う(『細雪』を読んでいるときにさえ、若狭湾の原発ともんじゅのことが頭に浮かぶのは悲しい)。





by desertjazz | 2011-06-13 22:00

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