2011年 06月 26日
メガサリ版画展(週末旅行・番外編)
昨日25日は友人の天光眞弓さん(劇団青い鳥)からお誘いを受けて京都まで日帰り。(なので、週末旅行と言うほどでもない。)
3.11 以来約3ヶ月半振りの京都。向かったのは京都東急ホテルのギャラリー Kazahana で開催されている『メガサリ版画展 バリからの神話』。メガサリさんはバリ島ウブドゥ在住の唯一の女性版画家で、モチーフはいかにもバリらしいが、その作品はバリ美術の枠から飛び出したオリジナルなものであるのが面白い。以前に較べると色数もインクの肉厚感も増しているようだ。それでいてよりすっきりした印象。周囲に光を放つような明るさ、生き物たちを慈しみ神に心託すような暖かさに惹かれる。
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メガサリさんはかれこれ15年前くらい前から知っている。彼女の自宅(&ギャラリー&ロスメン)はウブドゥのほぼ中央にあって、お邪魔する度に美味しいお茶で暖かくもてなしてくださる。しかし最近はお邪魔かなと思い、バリ滞在中も伺うことはなくなった。行きつけのレストラン Batan Waru のほぼ真向かいにお住まいなので、たまには寄せていただいても良かっただろうか。
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今回展覧会に行ったのは「新作はすべて3月11日以降に作られたものです。」と説明されていたからでもある。かつて 9.11 に影響された音楽が生まれたように、3.11 後の音楽や文学がどう変化するかにも関心がある(「反原発デモを経て」作られたサカキマンゴーの「Small」や細野晴臣の「放射能」などは、そうした作品の好例だと思う)。聞くとメガサリさんも震災後はしばらく制作意欲が失われたそうだ。それでもそれを脱した後の創作力が凄い。展示された10数点の新作はより明るく、より優しくなっている印象だ。祈り、復興を願う気持ちを形にできる芸術家というのは素晴らしいと思う。
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会場では天光さんとたっぷり話したが、それでは足りず、夜は一緒に京都駅に隣接する伊勢丹のレストランで会食(3/11 の時とまるで同じような行動パターンだな)。最近のバリ事情などについてもあれこれ伺う。それにしても彼女の話は相変わらず楽しい。
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