2011年 07月 12日
週末旅行6(7/7 - 7/10:東京)
7/7(木)
当初は明日移動する予定だったが、全ての用件を勢い良く片付けて新幹線に飛び乗る。車中ビールを飲みながらの読書が毎度の楽しみなのだけれど、疲れがたまっているせいか全く集中できず。幸いにも1日前倒しして上京できたおかげで、飲み会も設定することができ、ちっちゃな店でおいしい野菜や肉の料理をいただく。
7/8(金)
まずは北浦和へ。埼玉県立近代美術館で『彫刻家エル・アナツイのアフリカ』展を観る。評判に聞いていた通りの素晴らしさ。古い木材を並べた平面彫刻にはとても魅了されたし、廃材を利用した巨大なオブジェも圧巻。これまで持っていたアフリカ美術に対するイメージを吹き飛ばすほどのスケール感だった。眺めているうちに、彼の作品は数年前にワシントンかパリで観たことを思い出したりも。
続いて竹橋へ。東京国立近代美術館にて『パウル・クレー|おわらないアトリエ』展を観る。ほとんど独り占め状態だったエル・アナツイとは対照的な大入りで、やはりクレーの人気は高い。独特な製作手法と「特別クラス」に焦点を当てた内容で、いかにもクレーらしい作品は案外少ない。製作手法の解説では彼のマジックのいくつかを初めて知ることになったが、その分個々の作品の鑑賞に集中しずらかった。「特別クラス」のコーナーは、彼の引き出しの多さと、実験的作品の完成度の高さに圧倒された。
考えてみれば、エル・アナツイ展もパウル・クレー展も関西ですでに開催済み。あれこれあったせいで地元では観に行けなかったとはいえ、なんとも効率の悪いことだろうか。
#
それぞれ常設展も観たために、どっと疲れた足を引きずって渋谷に移動。タワーと EL SUR でまとめ買い。今回はいろいろ収穫があった。
#
夜は都立大学のひろ鮨へ。カウンターのみ8席ほどの小さな店で、金曜日の夜にもかかわらず、直前でも予約が取れたのは幸運。北海道産の大振りなホタテ、千葉のハマグリ、近海物のタコ、コハダの稚魚、しつこさのない大トロ、等々、ネタも拵え方も面白い。醤油よりも塩で食するネタが多いのはこの店の特徴。前回の訪問から2年以上間が空いたのだけれど、大将しっかり覚えていてくれた。
7/9(土)
炎天下、国分寺の武蔵野美術大学美術館へ。電車とバスを乗り継いで2時間、とにかく遠い(なので、気力の萎えた帰路はタクシーも使ってしまった)。『中村とうようコレクション展 楽器とレコードを中心に』、『WA: 現代日本のデザインと調和の精神 世界が見た日本のプロダクト』、『コレクションと教育でたどるデザイン史 ムサビのデザイン』という3つの展示を観てまわる。『中村とうよう展』は思っていたより小規模で、レア盤を並べている訳でもないため、マガジンの読者にとっては物足りないかも知れない。しかし展示している楽器の面白さもあって、一般向けにはこれくらいがちょうど良いのだろう。『ムサビのデザイン』は先日観た『タイポグラフィー展』と同様に見応えあるもの。イスのコレクションも充実している。完成したばかりのこの美術館、『中村とうよう展』に行くなら、そのついでに『ムサビのデザイン』も観る価値あり。
#
夜は自由が丘でそばと天ぷら。食後に駅周辺をぶらついていたら、昨日オープンしたという豆スイーツ店 Fève を見つけ、思わず買ってしまった。酒のツマミにもなかなか合う味。(↑パッケージも愛らしい。)
7/10(日)
目黒区八雲の茶房「楳心果」でかき氷を食べたことは書いた通り。この店の空間は素晴らしいと思う。置かれている和菓子も実にいい。今回は和の味ばかり堪能していたが、こんなときに日本人であることの幸せを感じる。
戻りの新幹線は激混み。日曜日の下りはどうしてこれほど混むのだろう。それでもどうにか席を見つけてビール飲みながら読書。
#
#
図録は『エル・アナツイ』と『中村とうよう』を購入。いずれも買うまでないかと思いながらも、資料として持っていたくなった。
他にもいくつか行きたい展覧会があったが、今回はこれくらいが限度。そして今年後半も見逃せない展覧会が続き楽しみだ。その筆頭はジャクソン・ポロック Jackson Pollock の生誕100年に合わせた日本初の回顧展(名古屋と東京)。ポロックはターナーと並んで最も好きな画家。まずは11月に名古屋で観る予定。待ち遠しい!
#
#
#