2011年 08月 20日
SUKIYAKI TOUR 2011 (5) : Day 2 - part II
13時にカウシキ姫のインタビューを終えてアートスペースに移動。映画『アガデズ 音楽と反逆 AGADEZ : the Music and the Rebellion』(ロン・ワイマン監督、米国)の冒頭だけを観る。ニジェールのオマラ・モクタル・ボンビーノのドキュメンタリーで、西アフリカの国ニジェールの現状を伝える作品とあって、最後まで通して鑑賞したかった。しかし、カウシキに会うために一応正装していったので着替えたかったし、先のスケジュールを考えるとここで腹ごしらえする必要もあり。この映画、劇場公開か DVD 化されることを期待しよう。
後で会ったサラーム海上さんが「内容も良かったし、その後の質疑応答が非常に充実していた」と語っていた。ボンビーノのメンバーたちによる補足説明が意義深いものだったようだ。
写真では参加者が少なく見えるが、この後方で観ていた人も多かった。
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ヘリオス外のフードエリアでカレーなどの昼食。ホントは旨いスキヤキ特製ビールを呑みたかったのだけれど、次がワークショップ(WS)なのでじっと我慢。
ということで、15時半から WS「グナワ音楽体験」。講師はアマジーグ(とバンドメンバー)で定員10名。なんて贅沢なんだ!
アマジーグから直接教えを受けられるこの WS が2000円で参加できるというのはウソみたいに有り難い企画。私の場合、年会費払って個人サポーターになっていたので、1500円で済んだ。
前半はアマジーグによるグナワについてのレクチャー。「マグレブ(北アフリカ)のアラブ社会に南方(今の西アフリカ諸国)から奴隷が連れてこられた結果生まれた音楽がグナワ。なので、アメリカ大陸でアフロ=アメリカ音楽が生まれたのと同様、これはアフロ=アフロ音楽であり、北アフリカの人々はアラブではなくアフリカのアイデンティティーを持っている」といった解説に納得。
後半はアマジーグによるグナワのデモ演奏と、手拍子や歌、カルカベを用いたレッスン。アマジーグ本人がひとりひとり回って手取り教えてくれる。実際に彼に合わせて手拍子打つことで、グナワの粘るリズムやハチロク(8分の6拍子)のリズムを体得できた。
そのおかげで彼のライブの際にも変化するリズムにシンクロして身体が動くようになったし、ブレイクする瞬間も同時に捉えられるようになった。これは大収穫だった。
アマジーグたちの演奏も素晴らしく、観客10名限定のシークレット・ライブといった様相に。ほとんどカルカベだけで歌い演奏されるグナワがこんなにも素晴らしいとは! トランスしてしまいたい気分だった。
WS は他にもタブラやスティールドラム、親指ピアノなどがあって、それぞれ公開もされていたのだが、何故かこのグナワ WS だけは非公開。折角の機会なので、10人に限定せずもう少し参加者が多くできそうだった。多分なにか事情があったのだろう。
当初はもっと一般の人を対象にした企画なのかとも考えたのだが、集まってみるとほとんど身内(?)ばかり。長年グナワを聴いてきた者ばかりで、ほぼ全員がモロッコ、アルジェリア、セネガルなどへの旅行体験者。そうした意味ではアマジーグの語りたいことと、参加者のレベルが合っていた WS だったと言えるだろうか。
すっかり盛り上がり、予定していた1時間半を超えて約2時間のワークショップだった。とにかくアマジーグが常に積極的で、歌にも全力投球。彼のミュージシャンシップには頭が下がるばかりだった。
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(このスキヤキ・ツアー日記、来年は参加してみたいと思う人が増えて欲しいという希望もあって書いている。こうしたワークショップなんかもお薦めだと思うのだが、そうした考えは伝わっているかな?)
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(2011.08.28 記)
(続く)
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