2011年 08月 20日
SUKIYAKI TOUR 2011 (8) : Day 2 - part V
★ ホテル入口前の地べたに座っているメンバーたちの姿が、まるでたむろっている高校生みたいで、最初は誰も声をかけられなかった。
★ そのホテルから裸足や室内用スリッパで出かけていくものだから、フロント嬢たちに大受けしていた。
★ クラブステージでマレウレウの歌に反応し野獣化して叫ぶメンバーを、マイア・バルーが咎めながら「ここは動物園か」と毒づいていた。
★ 客が去ったヘリオスの庭で深夜遅くまでギターを弾きながら歌っていた。
★ 某メンバーの酒豪ぶりをH氏が嘆いていた。
★ ボンビーノにインタビューしたS氏が余りのシャイさに驚き、それが仲間内でネタになっていた。
★ メンバー中の2人がとてももの静かで、シンポジウムの最中でさえ会場から離れて物陰で佇んでいた。
・・・これら全て(ほぼ)事実。
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こんな愛くるしい奴らの奏でる音楽はやはり本物だった。
ギター2人とパーカッション2人というコンパクトな編成。そのサウンドもシンプル、いや目立った展開もないため単調とさえも感じる。しかし、そこが彼らサウンドの大きな魅力なのだろう。ノリやすいビートなので、場内は一気に盛り上がり、フレーズが繰り返させる度に熱が拡散していく。ビール飲みながら踊っていることが、ただただ気持ちいい(結局それか?)。ホントにフェス向きのサウンドで、屋外ステージの最後に彼らを持ってきたのは大正解。
特にフロントのオマラが絵になる。アクション激しく掻きむしるギターがとにかくいい。歌もギターも特別上手いということはないけれど、自分たちがプレイして気持ちよい音楽、オーディエンスに聴かせて気持ちよい音楽が何かを、とことん分かっている男たちだ。





再三書いてきた通り、個人的なハイライトは 'Iyat Idounia Ayasahen (Another Life) '。とにかくこの1曲が極め付きのカッコ良さで、今夜の彼らのライブはこの曲1点狙い?だった。強烈で爽快なリズムに乗って、オマラがこれ以上ないくらいシンプルなリフをループさせながら、ゴリゴリとアドリブを決めていくんだけれど、それが最高なんだなぁ(よく聴くとシンプルなギター・リフの中に結構小技を混ぜ込んでいる)。
ステージ上のオマラを見て「カポタスト買ったんだ」と思った(というのは自分だけ?)。"Agadez のジャケット写真でボールペンを結びつけていたのがいい味だったんだよな。
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彼らのシンプルでハードなブルースロックの背景にあるものを、映画『アガデズ』試写会やライブ翌日のフォーラムに参加した方々は、深く感じ取ったことだろう。
サラーム海上さんから聞いた話であり、詳しくは彼がどこかに書くと思うので簡単にしか触れないが、ニジェールのアガデズ周辺ではウラン採掘の結果、土地の荒廃が酷いことになっているらしい。その構図(悪どい外様や権力者が膨大な利益を貪る一方で、地元民の土地は再生不可能なまでに破壊され尽くす)は、原油が掘り尽くされたナイジェリアのデルタ地帯から原発施設の周辺地域にまで共通したものだ。
新作 "Agadez" の曲の英語表記を改めて読み直してみた。'I Greet My Country', 'Life', 'You, My Beloved', 'The Desert, My Home', 'Another Life', 'Peace To You', 'What Shall I Do?'。これらからは真摯なメッセージが込められていることが読み取れる。例えば今回同時に来日したアマジーグと同様に、オマラ・ボンビーノの音楽も、自らのアイデンティティーを確認しそれが依って立つものなのだと思う。


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後日談をひとつ。
ボンビーノ伝説は東京でも続いた。アフリカ盤をチェックするためなのか、単なる暇つぶしだったのか、23日夜に訪れた渋谷のレコード店エル・スールで20曲演奏したという(原田店主との共演もあったとか…)。
ボンビーノたち、心底音楽が好きなんだなぁ。
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21時半に終了し、フローラルステージからヘリオスに移動。サラーム海上さんのDJを聴きながら、スキヤキ特製生ビールで乾杯。今年は東京や金沢からやってきた知人が多いので、昨年以上に盛り上がっている。
22時からクラブステージ。後半のマイア・バルーだけちょっと顔を出したが、明日はカウシキ公演が控えているので体調整えるために早めにホテルに戻る。とは言ってもすでに24時。スキヤキ2日も充実した1日だった。
(2011.08.31 記)
(続く/うまく書けなかったので後で直すかも??)
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