2011年 09月 26日
SUKIYAKI TOUR 2011 (17) : スキヤキの残り香
富山県南砺市福野で毎年開催されるこのフェスティバルの素晴らしさについては、再三語ってきた通りであり、最早それを繰り返す必要はないだろう。私の耳の及ぶ範囲では批判や不満の声はただのひとつも聞こえてこなかった。これは奇跡的なことで、スキヤキが成功していることを端的に物語っているだろう。
それにしても、南砺市福野の住民の皆さん、そしてその近隣に住まわれる方々が、とても羨ましい。こんな素敵な「夏祭り」を毎年楽しめるなんて。世界中の素晴らしい音楽に親しみ、今の世界の状況についてダイレクトに知ることができるのだから。
スキヤキという祭りは「交流」を重視した参加型。ならば、福野の皆さんは積極的に参加することで、より楽しめるし、フェス全体の盛り上げ役にもなれる。ワークショップに参加してもいいし、ボランティアとして活動してもいい。経験がなくても練習して世界のトップ・プロたちと一緒のステージに立つことだってできる。フェス本番の3日間だけ観に行くだけでは勿体ない。
自分自身もそう思って、何か出来ることはないかと探り続けてみたものの、やっぱり非力だった。今年も福野にお邪魔して、たっぷり音楽を聴いて、たっぷり語り合えたことは楽しかったものの、何だかよそ者が文字通り「お邪魔」して、美味しいところだけ楽しんで帰ってしまっただけなのではないかという後ろめたさも感じている。
そう思うと、近くに住んで準備段階から参画された方々がますます羨ましくなってしまう(それを超えるリスペクトとともに)。
今年は100%音楽を楽しむことに専念しようかとも考えた。けれども、カウシキが来ると知ってちょっと色気がでて、インタビューをお願いしてしまった。また思うところあって写真撮影も許可していただいた。そうなると、何か責任を果たさなくてはいけない。そのようなことが頭に浮かびながら、何となく綴り始めたのが「スキヤキ・ツアー日記」だった。拙い文章ながらスキヤキの魅力を綴ることで、楽しませていただいた感謝(というか、よそ者がお邪魔したお詫び)を示せるのではないかと思ったのだった。
ただ、文章力がない分だけ無駄に長くなったばかりか、詳しく書き過ぎてしまったかという反省もあります。
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今の私は日常的にたくさんの音楽を聴き続ける生活からは離れている。そうした状態がそろそろ5年以上になるかも知れない。そんな自分にとって、時々お邪魔する音楽フェスで好きな音楽ばかり浴びることが大きな楽しみであり、生きて行く上でのメリハリともなっている。そうした観点から考えても、今年のスキヤキは大好きなカウシキを真剣勝負するように聴き、他の時間はビール飲みながらまったりするといったように、実に理想的なフェスだった。
思い返すと、私にそんな楽しみ方を教えてくれたのが、スキヤキ(と今はなきカンバセーション)だった。フランス西部の都市アングレームで開催される Festival Musique Metisse にスキヤキのリバレ・ニコラさんと一緒に行ったのは8年前の 2003年。ここで本格的な音楽フェスティバルの醍醐味を初めて知った。そこで味わった刺激が強くて、その後もマルセイユの Fiesta des Suds と Duck des Suds などにも通うことにもなった。
ご存知の方が多いように、スキヤキはフェスティバル・メティスと長年提携関係にあり、スキヤキは老舗のメティスから良いところを学び取ってきたように聞いている。実際両者のフレンドリーさには通じ合うものがあると感じている。
残念ながら、諸事情があって、ここ何年かはメティスにもマルセイユにも行けなくなっている。けれども昨年と今年、2年続けてスキヤキまで出かけていって、日本人にはスキヤキがある、わざわざ海外まで出かけなくてもいいじゃないかという思いが強くなった。
スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールドはこれからもずっと続いていって欲しい。私も来年もでかけていきたいと思う。できれば、より「参加」する形で。一方で、さすがに3年連続というのは難しいかな。もしかしたらもう行く機会を作れないかも知れないなどとも思ってしまう。
けれど、もしあんまり「お邪魔」じゃないなら、またぶらっと遊び行こうと思います。

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追記:
ひとつだけクレームありました。「ワインが売ってない!」って。
スキヤキ特製生ビール3種、今年も最高でした。来年以降もヨロシク!
ところで橋本実行委員長、そろそろアルコール解禁になったのだろうか?
最後まで酒ネタかい…!?
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(本編・完/けど、続く ???)
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