2011年 10月 20日
Readings :『MILES DAVIS DISC GUIDE』
昨日発売になった レコード・コレクターズ増刊『マイルス・デイヴィス・ディスク・ガイド』を買って、ひととおり目を通してみた。このシリーズ『ボブ・ディラン』も『ザッパ+ビーフハート』もそうだったが、自分が持っている/持っていないレコードをチェックするのに至極便利だ。今回もその目的で買ってみた。
それで気がついたのだが、マイルスのレコードは案外持っていない。恐らく掲載されているアルバムのうち、手元にあるのは半数程度なのではないだろうか? 何故かマイルスは熱心にコレクトすることがなかった。マイルスは、大好きなんだけれど、同時に嫌な奴。この本の最初の記事の冒頭で「マイルスの中には相反する要素が常にせめぎあっている」(P.12) と書かれているが、聴き手にも好悪相反する2つの心情を引き起こす存在だったのかも知れない。
最近マイルスに関する文章をいくつか読んで、今年9月で没後20年であることを知った。また1981年の復帰作 "The Man With The Horn" から30年。これの数年前からジャズを聴き始めたので、私のマイルスとの付き合いも30年を超えたことになる。リリース当時、この "The Man With The Horn" にはかなりがっかりさせられた。なのにそれ以降、復帰したマイルスを絶賛する評論(一応そう書いておく)をやたらと目にする。そのことに対する反発もあったのか、 "The Man With The Horn" 以降のアルバムは、"We Want Miles" や "Tutu" も含めて1枚も聴いていない。
その一方で、マイルスの作品を遡って聴いていくことで、彼の音楽にどんどん魅入られていった。1枚1枚の内容と完成度がとてつもないものだから、どれか1枚を繰り返し聴くだけでも満足してしまうのだった。結果それが、現在進行形のマイルスを必要とさせなかったし、コンプリート・コレクションを追い求めない理由にもなったのもかも知れない。
今回この『ディスク・ガイド』を読んで思ったことはいろいろあるけれど、マイルスのアルバムはジャケットがどれもいいと改めて感じた。特に70年代までのアルバムはほとんどがヴィジュアル的にとても優れている。全部LPで買っておけば良かったと、今さらながら後悔したほどだ。
マイルスのアルバムはLPとCDの両方で持っているものも結構多いけれど、繰り返し聴いた作品ほど今もアナログ盤で聴いてしまう。馴染んだ音に対して、リイシューCDの音には違和感をおぼえてしまうということもあるけれど、もしかしたらジャケットを眺めながらその音を聴きたいという心理も影響しているのだろうか。
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『レコード・コレクターズ』は編集長が佐藤さんに替わった先月号(?)から、岡田則夫さんの「蒐集奇談」の連載が復活したようだ。かれこれ10年振りくらいになるのではないだろうか。以前連載していた時にはとても面白く読んでいて、毎号楽しみにしていた(単行本化をずっと期待しているのだけれど、さすがに難しい?)。『レココレ』は Springsteen の特集号などを除くと、一昨年の転居をきっかけに読むのを止めてしまっている。けれども、この「蒐集奇談」の読むためだけでも購読復活させる価値があるかもと思い、現在思案中。
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