2011年 10月 26日
New Disc : OST "The The / TONY"
The The (Matt Johnson) も全ての作品を集めていたミュージシャンのひとり。1986年にリリースした "Infected" とそのビデオ(全8曲とも制作された)が素晴らしかったものだから、一気に好きになり、The The / Matt Johnson の作品を探しまわった。その甲斐あって、LP/CDアルバム以外に、7インチ、10インチ、12インチ、ビデオ作品の大半も蒐集できたように思う。
その彼も 2000年の "Naked Self" を最後に、ベスト盤やリマスター盤を稀に出す程度で、新作を発表していない。なので、すっかりリタイアしたものと思っていた。ところが、昨年10年振りに新作 "Cineola Volume I: Tony A Soundtrack By The The" を出していたことを知った。タイトル通り映画 "TONY" のオリジナル・サウンドトラックで 32 トラックを収録(うち 8トラックが映画中の会話のサンプル)。このCDのパッケージは、68ページのブックレット(ロンドンを写した写真集)付きという体裁になっている。
本作のサウンドの方は完全に Matt Johnson のソロ・ワークで、ピアノ、メロディカ、モーグ、アコースティックベース、テープループの全てを自身でプレイしている。短い挿入曲が並ぶこの作品が結構気に入っていて、ここ数ヶ月聴き続けている。ホラー映画の音楽らしく極めてダークなトーンなのだけれど、独特な哀切さが伝わってきて、どこかポップさも感じさせる音の起伏。いかにも Matt Johnson 節といった感じだ。
これはサントラという変則的な新作なのだけれど、彼がまだ引退した訳ではなく、今後オリジナル・アルバムもリリースする可能性があると解釈して構わないだろう。そのことを知っただけでも、ファンとしては嬉しい。
(続く)
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