2011年 12月 01日
"Marisa Monte / O Que Você Quer Saber de Verdade"

11月は小説について書くことが多くなってしまったので、今月はそろそろ音楽の話もしてみたい(思っているほどにできるかな?)。
先月後半は読書の合間に、もっぱらマリーザ・モンチ Marisa Monte の5年振りの新作 "O Que Você Quer Saber de Verdade" ばかり聴いていた。今回の作品は、いや過去の作品と同様に、本作もとてもいい。マリーザ・モンチは聴き手の期待を決して裏切らないアーティストだと思う。
さりげない音楽のようでありながら、聴くごとに心に染みてくる。カズオ・イシグロを読んで生まれた哀しみをそっと癒すような優しいメロディーと歌。すっかり耳タコの美メロな後半9曲目以降が特に気に入って繰り返し聴いている。
最近も新しい音楽を探すことはせず、ベテラン勢の新作を聴くことが多い。さりげないようでいて実に深いという作品の特質に目を向ければ、Ry Cooder の新作 "Pull Up Some Dust and Sit Down" や Joe Henry の新作 "Reverie" などと似たような親しみを感じる。
12月に入ったということで、そろそろ年間ベストのことが話題に上る季節。今年も個人ベストを選ぶなら、マリーザ・モンチは1位から10位の間のどこに置こうかとすでに考えている。
徒然に綴っているうちにラスト14曲目の 'Bem Aqui' に辿りついた。蝶が空中を淡く柔らかく舞い漂うようなサウンドに浸っているうちに、また遡って聴き返したくなる。それくらい素敵なアルバムです。
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