2011年 12月 05日
日本料理を読む/日本料理を食する
ほとんど毎日3食自炊していると話すと、これが「料理好き」と思い違いされているらしく(本当は面倒でしかたないのだけれど)、食材や食器や料理本といった類のものをもらうことがとても多い。先日は料理好きだと語る仕事仲間から「これ面白いから読んでみて下さい」と言って、一冊の文庫本を手渡された。たまには軽い本もいいかと思って、読んでみたのが高田郁の『八朔の雪―みをつくし料理帖』。
大阪で数々の悲劇に見舞われた娘、澪が、江戸に出てからも絶えない苦難に直面し続けながら、周囲からの暖かい支えもあって料理人として成長していく姿を描いた、連作時代小説の第一巻。ご都合主義が気になったものの、これくらいのエンターテインメント小説の方が受けるのだろう。たまたま反対に東京から大阪に引っ越してきた立場なこともあり、(江戸時代の)上方と江戸との食文化の違い(食材、味付け、食べ方の相違)に知らないことが多くて興味深く読めた。2巻以降も借りて読んでみようかな。
実際、関西に来て出会った食材や料理が数多い。このごろだと、京野菜や北陸の魚介を食することが楽しい。だが、この本を読んでも、自分で造るより、良い料理人の美味しいものを出していただく方がいいと思った次第。こちらに住んでいるうちに訪れておきたい店がたくさんあるのだけれど、なかなか巡り尽くせないものだから、やや焦り気味になりがちでもある。
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熱い和食をいただきたいと思って、昨晩は今年大阪に越してきた友人を誘い、近所のいきつけの酒房、かむなびへ。日曜日なのでどうにか席は確保できるだろうと思っていったところが、見込みが甘く予約客が入れ替わり訪れて終始満席。そのようなものだから予約なしの一見客は泣く泣く帰っていく。それでも今夜もタイミング良く、予約なしで入れたのは相当に幸運だったようだ。初めて訪れた友人氏も、日本酒と料理と値段、全てに大絶賛だった。
それにしてもこの込みようは困りもの。どうやら今年もミシュランに掲載された効果が大きいらしい。いつの間にかバイト君も2人に増えていたが、それでもお店の方々は休む隙のない忙しさ。少し前までは、軽く呑みたい気分のときにサンダル履きでぶらっと顔を出せる気軽さが良かったのだけどなぁ。ご主人夫妻からも「今度はカウンターでお話しながら」と見送っていただいた。
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読書は少し休みたい心持ちではあったのだけれど、また5冊ほど新たに読み始めてしまった。どれも面白いものだから、他のことが手に着かない。
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