2011年 12月 13日
読書メモ:辺見庸『眼の海』

先日出版された辺見庸の『眼の海』を今朝読み終えた。石巻出身の辺見さんが大震災後に綴った詩編集。日頃は詩集を読むことなどないのだが、辺見さんの言葉が聞きたくて手に取ってみた。
正直なところ、よく分からなかった。辺見さんはもともと難しい言葉を多用する上に、具体的な描写よりも自身のイメージを文字化している傾向が強い。どう解釈したらいいのか、自由に解釈して構わないのか、そう迷い続けた。
独特な音感を持った辺見さんらしい言葉のリズム感に味がある。だが全体を埋め尽くすのは、極めて残酷で激烈な表現。これは辺見さんの世界に対する諦念なのだろうか。言葉の誘起する強烈なイメージの感染力が凄まじい。
じっくり反復しながら読み進めたものの、やはり解釈しきれない。繰り返し読まなくてはならない作品なのだろう。なので、いつになっても「読了」という言い方は当たらない。昨年出した『詩文集 生首』を読んでから、また『眼の海』に立ち戻ってみたい。
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