2012年 06月 10日
Last Day in Osaka / Final 'Weekend Trip'
6月10日、日曜日。大阪3年間の生活も今日が最終日。最後はどうしようかと考えた末、奈良に行くことにした。昨日までにどうにか段ボール約200箱のパッキングを終えて、残りは明日の朝プロの仕事に任せられるところまで辿り着けた。
思い返すと3年前に最初に出かけた先がやはり奈良の興福寺だったはず。その出発点に戻ってみようと考えて、まずは興福寺に向かった(修学旅行生たちを記念撮影する下品な絶叫が興を削ぎがっかりさせられたが、まあ奈良全体が観光産業化しているので彼だけを責められないか)。
興福寺を訪れた一番の理由は阿修羅像を拝んでおきたかったこと。大阪に越して来てから興福寺国宝館が完成し、ここは自宅から1時間かからずに来ることができる。なのでいつでも来られると考えたのが過ちだった。結局ギリギリに(2年ほど前に一度仕事で国宝館に来ていたのに、その時には観ることができなかった)。日曜日なのでごった返しているかと思いきや、正面や脇からひとりじっくり拝むことができるくらいの余裕はすでに生まれていた(同じ解説パネルを両サイドに置いている工夫の効果もあり)。
奈良で、というよりこの3年間の週末旅行で最も記憶に残っている場所のひとつは、春日大社〜春日山周辺の原生林。鳥の声や風のそよぎを楽しみながら歩いた春日山原始林 8kmの奥山遊歩道は本当に心地よかった。さすがに今日はそこまで歩いていけないので、「上のねぎ道」を散策しようと東方向へ。歩き始めるとこんな資料館を見つけた。和洋折衷の建築が面白い。
これまでとはコースを変えてブラブラ。こんないい道もあったのか。
春日大社や若宮神宮は素通りして一番奥の紀伊神社まで。ここまで来ると滅多に人が通らない。緑を眺めながらしばらくまったり。
紀伊神社まで延びる奥の院道は今回初めて発見。もっと早くに知っていたらよかったのに。
春日大社から通じる「上のねぎ道」は実にいいよな。時間感覚が飛んで行く。
「中のねぎ道」(ささやきの小径)「下のねぎ道」もあることには今回初めて気がついた。
鷺池や浮見堂を眺めながら帰ってきた。市の中心エリアであってもどこを歩いても緑が豊かで穏やか、そこが奈良に惹かれる大きな理由である。
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大阪での暮らしになかなか馴染めず、諸々のストレスなどから休日前は明け方まで呑み続け、結局貴重な休日を無駄にしてしまう生活から脱却できなかった。これではいけないし、折角関西に来ているのだからと考え、途中からは「週末旅行」と称して、なるべく無理してでもあちこちに出かけるようにした。
だけれども、後悔先に立たずと言われる通り、時間を有効に使ってもっといろいろな場所を訪ねておけばよかった。まだまだたくさん行けたはず。関西圏の魅力がだんだんと分かってきたところだったので、正直このことは後悔している。
仲間たちからは「十分行ったでしょ!」と笑われる(引越前日に小旅行に出かけたことにも呆れられてしまった…)。実際、京都も奈良もそれぞれ10回以上行っているはず。だけれど、桂離宮にも、平安神宮にも、金閣寺にも、飛鳥にも、さらには熊野にも四国にも行けなかった。いや、そうした詰まらない後悔よりも、奈良や京都の深い緑の中で素晴らしいひとときを過ごせたことの方がはるかに意味があるのだろう。それらは忘れようのない体感だった。
まあ京都や奈良には来ようと思えばいつでも来られるし、行きつけの店/通いたい店にもいくつも出会えたので、きっと近いうちにまた訪ねてくることだろう。
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ということで?、このあと大阪最後の夜は本当に一緒に呑みたい仲間たちだけに声をかけて、さんざんお世話になった「かむなび」での宴へ。
(続く)
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転居して約1ヶ月。生活がそろそろ落ち着きかけてきたので、近所の評判の店を食べ歩いたり、新譜を取り寄せたり、フェスやライブについて調べたり、次の旅行計画を練ったり、首相官邸前の集会の列に加わったり、といったことを始めている。
書店にもレコード店にもライブにも映画館にもまだ全然行けていないのだが、マドリッド旅行や長崎旅行についてはそろそろ続きを書いておけるだろうか? やること多過ぎてブログの本格的再開は難しいのだけれど、ツイートしている新作情報などについてはそのうちにまとめておきたい。
(2012.7.10 1:00 記)
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