2012年 09月 16日
Oneira : Pan-Mediterranean Music
ここ最近、オネイラ Oneira の2枚のアルバム "Si La Mar" (2010) と "Tale Yad" (2012) をよく聴いている。オネイラは地中海周辺/周縁の異なるルーツをもった6人(女性2人、男性4人)によって2006年に誕生したグループ。
メタ カンパニーのページに詳しい紹介が掲載されているので、以下、一部引用。
オネイラはイランの血を引くパーカッショニスト、ビージャン・シェミラニの夢から始まった。ペルシャ古典声楽を学んだ妹のマリヤムとともに、伝統音楽をベースにしたイマジネティヴな音楽の模索。そこにギリシャ出身でトラッドとクラシックの両分野で活躍する女性歌手マリア・シモグルー、同じくギリシャ出身でジャズ・クァルテッとも結成しているネイ奏者のハリス・ランブラキス、フランス中央山塊地方出身で、アル・ディ・メオラに師事し、現在もディメオラと一緒に世界をツアーしているギタリストのケヴィン・セディッキ、そして南仏オクシタニア出身で、千年の歴史を持つ楽器ヴィエル・ア・ルー(ハーディー・ガーディー)奏者として地中海トラッドとエレクトロニクスを融合させた革新的バンド、デュパンの中心メンバーだったピエール=ローラン・ベルトリノが加わった。
確かに地中海諸地域やイランなどの伝統楽器にブルガリアン・ポリフォニーなども連想させる発声の歌が折り重なって実に魅力的。最初はちょっと地味に感じたけれど、端正で穏やかで滋味深く時折むせび泣くようなアコースティックな音には惹かれるようになってきた。例えばデュパン Dupain やラム・デ・フォック L'Ham de Foc あたりのサウンドも思い起こさせ、拡張した汎地中海的サウンドとも言えるだろう。
個人的にデュパンが頭に浮かんだのは当然で、デュパンのハーディーガーディー奏者だった Pierre-Laurent Bertolino がメンバーのひとりであるところにデュパン的なものを感じとってしまったのだろう。そのデュパン繋がりで、ファーストアルバム "Si La Mar" の 'Hypnovielle' ではデュパンのリーダーだったサム・カルペイニア Sam Karpienia がゲストシンガーとして加わって、独特な声色を響かせている(アルバムのトーンに合わせてか、いつもよりは若干抑えた歌い口)。これも実にいい!
ここ10年ほどの間にジャズもアフリカ音楽もさほど聴かなくなってしまったけれど、オクシタンミュージックやアラブアンダルース音楽などに対する関心はあまり下がってはいない。このオネイラを聴いても、自分はマルセイユを中心とした環地中海圏の音楽と相性のよいことを確認させられる(相変らずイタリアやギリシャは積極的には聴いていないのだけれど)。
オネイラ、いつかライブでも聴いてみたい。
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