2012年 10月 03日
Remember of Michel Petrucciani

フランス人ピアニスト、ミシェル・ペトルチーニの生誕50周年に合わせて、彼の人生を描いたドキュメンタリー映画『情熱のピアニズム』が公開。これはちょっと観てみたい気がする(・・・と、メモ)。
・公式サイト『情熱のピアニズム』
・ミシェル・ペトルチアーニの人生に迫るドキュメンタリー『情熱のピアニズム』

ミシェル・ペトルチーニは学生時代によく聴いた。DIW (Disk Union) が OWL 盤などを輸入する度に買って繰り返し聴いたものだ。リリカルで軽やかで楽しげなタッチの演奏が好きだった。
残念ながらペトちゃん(と当時から呼ばれていた記憶がある >>> ペルちゃんみたい!)のライブを観る機会はなかった。けれど一度だけ本人に会ったことがある。
1996年1月17日(旅日記には 18:40 と書かれている)、マルセイユのホテル Mercure Euro Center のロビーのバーで飲んでいたら(あるいは夕食に出る待ち合わせだったかもしれない)、隣のテーブルに小柄な男がちょこんと腰掛けた。見るとペトルチーニではないか! まあここはフランスなので驚くほどのことでもないのだけれど。
かなり躊躇した末、「あなたのファンです」と話かけてサインをいただいた。そのサインは今でも大切にとってある(はずなのだが…。せっかくなのでアップしようかと思ったが、すぐには出て来ない)。もちろんその時、握手はしなかった。音楽ファンなら知ってのとおり、彼は生まれつき骨の難病を抱え(骨形成不全症)ささいなことで骨折してしまうので。
ミシェル・ペトルチーニはたまに聴き返したくなるものの、どうもその勇気がわかない。歳を取った分耳が肥えて、昔気持ちよく聴けた音楽が詰まらなく感じられること(反対に昔はさっぱり理解できなかった音楽が突然その面白さを理解できるようになることもある)、あるいは感性が鈍って昔感動した音楽に反応できなくなることが時々ある。ペトルチーニももしかしたら一過性の存在だったのだろうかと思うことがあるからだ。
けれども、こうして映画化されるということは、今でも彼のファンが多くいて、彼の音楽が高く評価されているあらわれなのだろう。そう考えると、やっぱりこの映画も観ておきたくなる。
(この記事を書いた後 LP を何枚か聴いてみた。演奏には今でも魅力を感じるけれど、レコードの溝がずいぶん痛んでいる。かなり聴いたからなぁ。それよりペトルチアーニの年齢に驚いた。自分よりもずっと年上だと思っていたのに…。)
♪
♪
♪