2012年 10月 12日
Gil Evans 1912-2012

ギル・エヴァンス Gil Evans (1912.5.13 - 1988.3.20) は私が大好きなミュージシャンだ。いや、いくつかの理由から自分にとって特別なアーティストでもある。そのギル、今年生誕100年であることに今頃気がつき、昔買ったレコードをここしばらく聴き続けている。
ギルの音楽と出会ったのは大学生時代。一気にそのサウンドの虜になり、彼のレコードを探し集めたら、リーダー作だけは2年くらいで全部入手できたような記憶がある。キャリアが長い割に録音数が特別多かった訳ではないので、全てのLPをすんなり見つけられたのだろうか。時代がCDへと移り変わってからも気がつけば買っているので、今でも彼のコレクションはほぼ揃っているかと思う。
ギル・エヴァンスは Claude Thornhill や Miles Davis の楽団のアレンジャーとしての仕事もよく知られているが、個人的に最も好きなのは70年代の作品群。彼にしか作り得ないロック的なビッグバンド・サウンドで、Frank Zappa 並みに興奮させられる。それらの中で珍しいのはこの2枚なのではないだろうか(全キャリアを通じても一番レアかもしれない)。
・ Gil Evans Orchestra "Synthetic Evans" (Poljazz Z-SX-0636, 1976)
・ Gil Evans Orchestra "Parabola" (Horo HDP31-32, 1977)
前者は8人編成というギルにしてはスモールコンボによるイタリア録音の2枚組。4面で6曲収録している。Jimi Hendrix の楽曲を2つ取り上げていて、ギルのエレピも印象的。大好きなアルバムだ。
後者はポーランドでのライブ録音盤。A面を占める 'Priesteso'(正しく?は Priestess')が聴きどころ。裏ジャケ(いや表か?)はこんな感じ(↓)。

(もう1枚、ブート盤 "European Tour July 1978" を写真に上げたけれど、ギルのブートってかなり少ないのではないだろうか?)

Billy Harper が書いた 'Priestess' といえば、1977年のギルのバースデー・コンサートの実況録音盤が決定版だろう。
・ Gil Evans "Priestess" (Antilles/Polyster 25S-3008, 1983)
Lew Soloff、Marvin "Hannibal" Peterson、John Clark、Howard Johnson、Robert Stewart、David Sanborn、Arthur Blythe、George Adams、Pete Levin、等々と物凄いメンツ!(もちろん Howard Johnson と Pete Levin はロック界の2人とは別人)その中で最初に長いソロを演奏するのは何と David Sanborn。これ本当にサンボーンが吹いているの?と疑いたくなるような、まるで Billy Harper 並みの火の吹くようなプレイを聴かせる。このトラックも、昔、爆音でよく聴いたなぁ。
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