2012年 11月 24日
Crazy Champagne by Goran Bregovic
1ヶ月近くにわたった今回の旅、最初のマルセイユでの Fiesta des Suds 初日にゴラン・ブレゴヴィッチ Goran Bregovic を観られたのは幸先よいスタートだった。
自分のジプシー音楽嫌い(とベリーダンス嫌い)は仲間うちではすっかり知られてしまっている。いや、嫌いなのではなくて、単に苦手なだけ、生理的にどうも受け付けないのです。昔コチャニはフランスで観てきたし、タラフもちょっとした仕事をしたことがあるので、魅力あることは十分に理解している。だけど積極的に聴きたいとは思わない。
そんな固定観念(食わず嫌い?)が砕け散ってしまいそうなほどゴラン・ブレゴヴィッチのステージは素晴らしかった。「まあジプシーだからなぁ…、一応観ておくか」と軽い気持ちで中盤から観たのだが、独特な腰の強さをもったノリのビート感に即座にもっていかれた。快楽、快楽。
一般的にジプシー・オーケストラは金管楽器の数が多いので、どうにも平板に聞こえてしまう。対してこの日のゴランたちの演奏には、ドラムを中心に生み出されるベースラインがしっかり感じられた。なので、ジプシー・ブラスやエレキギターやブルガリアン風女声コーラスなど、同系とはいえ様々な音がそこに重なっても決して空中分解しないのだろうか。
そうした傾向をさらに押し進めているように見受けられるのが最新作 "Champagne for Gypsies" だ。The Gypsy Kings や Gogol Bordello の他にも非ジプシー系のゲストを招いてバラエティー豊かな内容となっている。もちろん The Wedding And Funeral Orchestra の演奏もとても気持ちがいい。これならジプシー音楽門外漢の私でも楽しめる。
現在自宅でヘビーローテーション中のこの新作の中でとりわけ気に入っているトラックは、ライブ録音の 'Bella Ciao' と 'Balkaneros' だな。Fiesta des Suds での 'Balkaneros' で高揚感、アンコール・ラストの 'Bella Ciao' での会場の酔狂は忘れられない。彼を観に約15000人!入ったそうで(ホントか?)、自分はほとんど最後方で眺めていたのだけれど、一緒に行ったRさんとOさんによると、前方は「かなり危険だった」そう。
マルセイユのフェスで2時間演奏したのはゴランともうひと組だけだった(後者のステージも素晴らしかった! 後日リポート予定)。たしかに特別扱いされるだけのことはある。これほどのステージなら改めてフルセットで観てみたい。ただし友人の話によると「ギャラが高すぎて日本に呼ぶのは無理」とのこと。やっぱり凄いもん観ちゃったんだなぁ!
'If you don't go crazy, you're not normal.' Goran Bregovic
Yes ! I'm gonna crazy !
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