2012年 11月 27日
New Disc : "Leila Mourad"

パリ、マルセイユ、ドバイ、あるいはモロッコ各地ではアラブ音楽の CD が大量にしかも安く売られている。今回はマラケシュでレイラ・ムラッドの見たことのない CD を目にした。彼女のアルバムは見つければ買っているので、今回も入手して聴いてみた。
レイラ・ムラッド Leila Mourad (Layla Mourad : 1918 - 1995年) はモロッコをルーツに持つユダヤ系エジプト人の歌手/映画女優。エジプトの古典音楽を代表する大歌手で、一時はウンム・クルスーム Umm Kulthum のライバルとさえ目されながらも、1963年に45歳で引退(彼女の履歴は各文献に詳しいので詳細は割愛)。
タイトル不明(アラビア文字なので判読不能)のこの CD を聴いて、歌が抜群に上手いと改めて思ったことは言うまでもない。もちろん芳醇なオーケストレーションも楽しめる。録音状態も上々なので彼女の活動期の中では後期の作品集なのだろう(映画の挿入歌のようなトラックもあり)。
おやっと耳がそそり立ったのは、時折ジャズっぽいアレンジやラテン的なアレンジが流れた瞬間。特に3トラック目のイントロには驚いてしまった(もしかしたらエンジニアはそこを意識して、ウッドベースが際立つようハムが目立つくらいに低域をブーストしたんじゃないだろうか)。昔のエジプト音楽にはこんなモダンな面もあったんだったか? 考えたらエジプト音楽は久しく聴いていないな。
モロッコとパリではアルジェリア音楽(カビールなど)やアラビアンポップ(湾岸系など)の CD もまとめ買いしてきたので、今回の入手盤はまだ半分程度しか聴けていない。そのような状況ながら、レイラ・ムラッドの歌声を久し振りに耳にして、エジプトの古典音楽もじっくり聴き返したくなっている。
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