読書メモ:今年読む本(2)

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 昨年このブログへの検索ワードで目立っていたものを順に並べてみると、シャンタラム、グレゴリー・デイヴィッド・ロバーツ、マニュ・テロン、サルバドール・プラセンシア、ポール・セロー、カズオ・イシグロ、トマス・ピンチョン、クレジオ、オルハン・パムク、、、といったところ。マニュ・テロンは『アメイジング・ヴォイス』効果だとして、残りは私の本や旅への関心が反映した結果だろうか、それとも文学ファンはサイトも頻繁に読むということだろうか。

 最後に挙げたトルコの小説家、オルハン・パムク。『白い城』と『無垢の博物館』が宮下訳で出たのに続いて、『わたしの名は赤』も昨年に宮下訳の新訳版(文庫)が早川から出たので即刻買い直し。と思ったら今度は『雪』も宮下による新訳版(これも文庫)が出た。さほど売れないトルコの小説を訳者を変更して出版しなおすのは英断だと思うが、いかんせん旧訳(和久井訳)が悪すぎた。どうかどう良くないかはツイートも含めて再三書いてきたのでもう繰り返さないが、同様な声が多かったからこそ、最近の相次ぐ新訳化に至ったのだろう(これも以前に書いたことだが、藤原書店から出た和久井訳があったからこそ、日本語しか解さない自分もパムク文学を読めたので、そのことは感謝している)。

 『雪』はパムクの最高作にも挙げられる。個人的には確か最初に読んだ彼の作品だったが、正直なところ味わいきれなかった。『わたしの名は赤』は新訳を拾い読みする限り、旧訳よりもずっと分かりやすく、素直な日本語になっている。今年はまず『雪』を再読し、それから『わたしの名は赤』も読み直し、そして一番好きな『イスタンブール』の新訳化を待ちたい(写真ももっと状態の良いものに差し替えてくれることを熱望)。

 けれども年内には恐らくそうした時間は取れないだろう。今年の大きな計画は長い小説もたくさん読むこと。オルハン・パムクより先に読みたいと思っている大作&超大作が多すぎる。今年も読書が楽しみだ。






by desertjazz | 2013-01-10 00:00 | 本 - Readings

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