2013年 03月 04日
読書メモ:ハイパーソニック・エフェクト、ほか
先週末に購入/入手した本のメモ。
・『科学』2013年3月号(岩波書店)
今日届き、早速「特集・ハイパーソニック・エフェクト:超高周波が導く新たな健康科学」にざっと目を通す。大橋力らによる、超高周波が人体に与える影響に関する研究を中心とした内容(項目は下の写真の通り)。例えば、
△ チェンバロ、ガムラン、薩摩琵琶などの音には、100〜200kHz にも達する高次倍音成分が含まれること(対照的にピアノには10kHz以上の成分が少ない)。
△ アフリカやボルネオの森の音には高次倍音成分が豊かに含まれていること。
△ それらが人体や人間の生理にもたらすメリット(特に快楽)について。
△ 耳で聞こえない高調波を人体がいかように受容しているかについての詳しい論文。
△ 高音質音楽配信における可能性について。
おおむね基本的なことについては知っている内容。こうした研究をどこまで評価していいのか、超高周波の影響がどの程度なのか、実際に自身で確かめることは難しい。また、超高周波成分が多ければ良い音であり、反対に乏しければ劣った音(つまらない音)だというように、単純化できる話でもないと思う。超高周波成分は、あくまでも音について捉える上でのひとつの指標だろう。
それでも、生演奏の音とレコード音楽の差異(楽しみ方がどうしても違ってくる理由の一面)、自分がなぜ森の音に惹かれ心地よく感じるのか、オーバーサンプリング録音の可能性、等々について改めて考えてみるヒントは何かありそう。
大橋力の『音と文明―音の環境学ことはじめ』(岩波書店、2003年)も出た直後に買ったけれど、氏の研究を集大成した論文集といった感じのボリュームある本で、とても読み通せなかった。こうした難しい研究論文を読むよりも、ただ音楽を聴いていた方が気楽で楽しいと感じたことも思い出す。結局読み終えることはなさそうかなぁ。
・レーモン・ルーセル『額の星 無数の太陽』(人文書院)
レーモン・ルーセルは『アフリカの印象』と『ロクス・ソルス』以外に演劇台本も残していることに、ネットオーダーしてから思い出した。この本が出た時には、ここまで読む必要はないかとも思ったのだけれど、自由芸術展『レイモン・ルーセルの実験室』が開催されている折角の機会なので、さっとでも読んでみることにしよう。
・野間易通『金曜官邸前抗議 ---デモの声が政治を変える』(河出書房新社)
原発問題に関心のある知人に紹介したところ即購入してくれ(≒買わせた?)、読み終えたからと言って譲ってくれた(今年は本を買う量も減らしているので助かります)。実はまだ読んでいなかったので、これから読みます…。(政権交代はどう影響しているのだろう?)
#
#
#