New Disc : Rachid Taha "Zoom"

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 いつくかの計画が進み始め、仕事では大きな山をいくつか越え、そしてマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』を遂に完読して、今は一息ついているところ。少しだけ余裕ができたので、たまった新作 CD なども聴き始めた。良作揃いなので、どれを取り上げるか迷うのだけれど、最後に触れる理由から、まず1枚 Rachid Taha の新作 "Zoom" について軽く書いておこう。


 とにかく今回の作品のサウンドは強烈! Justin Adams のプロデュースの下、マンドールやネイなどのアラビックな音とエレキギターの音とがせめぎあうような重厚なサウンドは見事だと思う。

 1曲目は歌詞も強烈。「What world are we living in. / Who am I? Am I bad. Am I different. Am I Arab. Am I European. Am I European. Am I Indian. Am I black.」現世界の状況を憂いているのかと思ったら、女に捨てられたダメ男の歌なのね。

 2曲目はエジプトの女神 Oum Kalsoum の 'Enta Omari' をサンプリング。これが実に巧い! 魂がヴァイブします。

 そして5曲目 'Fakir' で上がる上がる。これはライブで聴いてみたいなぁ。7曲目のブルージーな雰囲気もいね。Cheba Fadela と掛け合いで歌っている8曲目は痛快なライ・ロック。

 そして何と言っても最高なのは、ラスト・トラックの 'Viola Viola' の再演。この曲を最初に録音したのは Steve Hillage がプロデュースした "rachid taha" (Barcley, 1993) だったかと思う。その後ライブ・アルバムにも収録された。これが今度は Brian Eno のプロデュースで(このトラックのみ)、ビートを立てたサウンドにぐっとブラッシュアップされた。このアルバム、最初に聴いたときにはやや地味かとも思ったのだけれど、繰り返し聴く度にグイグイ攻め込まれて、ここに至って遂に自然とダンスしている始末? いやホント、現時点で本年度最高のキラーチューンです。

 このトラック、YouTube にアップされているのは別ヴァージョン。Femi Kuti がサックスで参加するなど、こちらはさらに強烈度が高まっている。CD の方には 'ALBUM VERSION' とクレジットされているので、Single Version もあるのかと探してみたのだけれど、今のところ情報はなし。

 ・ YouTube | Rachid Taha - Voilà Voilà, Que ça Recommence

 まずはこれを観てみて!






by desertjazz | 2013-05-06 00:44 | Sound - Music

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