2013年 05月 16日
Oliver Mtukudzi | Bio & Discs (9) "Shoko" 1990
少しずつ整理を進めているアルバムリストに準じると、1990年には4枚ほどリリースした模様である。
28. "Chikonzi (Messenger)" (TKLP 5, 1990)
29. "Kuvhaira" (TKLP 6, 1990?)
30. "Psss Psss Hallo!" (TKLP 7?, 1990? / CSA CSLP 5005, 1990)
Tuku レーベルからの2枚については詳細不明。英CSA盤 "Psss Psss Hallo!" は前回紹介した通り。このアルバムはジンバブウェでも発売されている。シリアルナンバーは確認できなかったが、リストをにらんで推測するならば TKLP 7 だろうか。
そしてもう1枚、8月にドイツで録音し制作されたアルバム "Shoko" はまるで原点回帰したような力強いサウンドが素晴らしい。(※ このアルバム以降の欧米盤は全て CD リリース)
31. Oliver Mtukudzi "Shoko" (piranha pir30-2, 1990)
(1) Bvongo Muto (2) Mwana Asingacheme (3) Ndiri Bofu (4) Baba (5) Tumirai Shoko (6) Timbvumbamireyi (7) Kumhunga (8) Madzongonyedze

レコーディング・メンバーは以下の通り。
Oliver Tuku Mtukudzi : Lead vocals, Guitar
Erick Picky Kasamba : Vocals, Percussion
Florence Tinarwo : Vocals
Buba Ngobani : Vocals
Robert Mtukudzi : Hammond Organ, DX7 keyboard
Moses Mullah Nyaruka : Lead Guitar
Ashton Rucheche Mutaviri : Bass Guitar
James Austin Manyungwa : Drum kit
何か吹っ切れたかのようなサウンドプロダクションが施されている。タイトなドラム、ンビーラのリズムをベースにしたギターとキーボード、快活なヴォーカルとコーラス、そしてこれらが一体となって生まれるサウンドの躍動感。ジンバブウェ盤と比較すると録音も格段に良くて、ライブステージを聴いているようなサウンドだ。近作の安易なシンセの使い方とは違って、今回のハモンドの音は一歩後ろに下がってバンドサウンドを下支えしていてとても効果的でもある(と思ってクレジットを見ると、以前はドラム担当だった Robert? 彼がエイズの病に倒れたのはいつなのだろう? 第7回の書き方はこのままでは矛盾していると取られてもおかしくない。少なくとも弟の死が 'Stay With One Woman' を書くきっかけになったことはあり得ない。)
80年代、ムトゥクジは元の所属レーベルと間で面倒なトラブルに悩まされたようだ。それがようやく解決して、1988年に自己のレーベル Tuku を設立(書き忘れていたが、もちろんこれは Mtukudzi という名前の綴りの中の tuku に由来する)。過去の楽曲に関する権利を取り戻してからは、それらの再録音を進めたようだ。このアルバムの (1)(2)(3)(6)(8) も過去のレパートリーの再録音。長年演奏し慣れたことも、安心して気持ちよく聴けるサウンドに繋がったのだろう。
(つづく)
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