2013年 06月 07日
読書メモ:『知の逆転』/旅の友を選ぶ(辺見庸『青い花』ほか)

先日読み終えた吉成真由美による、ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソンへのインタビュー集『知の逆転』、個人的にはあまり評価していない最初のひとりを含めて、どれも面白かった。誰もが結構ギリギリな本音を語っていることに好感(例えば安楽死を肯定する発言だとか)。ワトソンの代表作はきちんと読んでおきたいな。
一番刺激的だったのはチョムスキーの言葉。「負の外部性」(P.73)のことは真剣に考えないと、グローバリズムによって「種の存続」が途絶えることは避けられないだろう。「偽善者とは自分に課す基準と他人に課す基準が違う人のことだ」(P.104)これは安倍と猪瀬と橋下の本質を極めて明瞭に語っている。
古い音楽書の参考文献で何度か名前を目にしたことのあるオリヴァー・サックス、不勉強にも存命だとは知らなかった(失礼)。彼のインタビューにも興味津々で、『妻を帽子とまちがえた男』と『火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者』を手に入れて同時に読み始めた(『知の逆転』ではオリバーと表記されていたが、オリヴァーの方が馴染みがある)。
昨日は、辺見庸の新しい小説『青い花』が出たことを知って書店に走る。そのついでに今度の旅に携える本(の候補)も購入。佐々木俊尚の新著『レイヤー化する世界』、片山杜秀の新著『国の死に方』、町田康『告白』、星野智幸『俺俺』、古井由吉『杳子・妻隠』、原田マハ『楽園のカンヴァス』、チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』、アントニオ・メンデス+マット・バグリオ『アルゴ』、チャールズ ブコウスキー『町でいちばんの美女』と、最近話題の小説を中心に読みやすいものをセレクト。全然自分らしくない?
さて、今度の旅行にはどれを持っていこうかな…。
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追記
『知の逆転』のほぼ全員が無宗教なのに、なるほどと思った。ひとり「私はメールを使わない」というのも新鮮だった。(6/8)
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