Manu Theron / Lo Cor de la Plana (10) - In Japan 2014

■「地中海の”声の文化”ポリフォニー〜南フランス編」

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 ロ・コール・デ・ラ・プラーナ東京公演の翌日 2/28 には横浜国立大学へ。「地中海の”声の文化”ポリフォニー〜南フランス編」と題した2部構成の講演会/ワークショップへ。たっぷり4時間、盛り沢山の中味だった。

 まず第1部『「ポリフォニー」とは何か?』では、友人の沖淑子さん(地中海~中東の食と音楽のコーディネーター)が、マニュ・テロンを中心に広く奥深いオクシタンのミュージシャンたち相関関係と彼らの音楽について解説。自分自身、オクシタン周辺の音楽はかなり聴いているつもりだったが、知らなかったディスクの紹介もあった。

 第2部『「地域語」で歌うとは? 』では、ムッスーT来日の際にもお世話になった佐野直子先生(名古屋市立大学)がオクシタン語とその現状について、長谷川秀樹先生(横浜国立大学大学院)がコルシカ語とコルシカのポリフォニーについて講義。ともに眼の覚めるような解説が続き、とても生きた情報ばかり得られた。特に佐野さんの「母語話者がいないからこそ、新しいものを作れる」という話や、オクシタンの祝祭性については納得。

 そして、これらの合間にゲストとして参加してくれたロ・コール・デ・ラ・プラーナのメンバー5人がオクシタン・ポリフォニーを実演。何とトータルでたっぷり1時間くらい聴かせてくれた。また質問にもリーダーのマニュ・テロンが丁寧に回答。先生たちの話もマニュの答えも全部録音してきたので、今度時間のあるときに書き起こしを作りたいと思っている。とりわけマニュの話が面白かった。

 でも何と言ってもこの日のハイライトはロ・コールたちの歌と演奏。彼らが昔から大好きでマルセイユにも台湾にも追って行ったくらいだったのに、それを日本で観られるなんてほとんど奇跡だと前日の公演では思った。それが今日は少人数の中、彼らの息が直接届くくらいの距離で堪能できるとは。思わず最前列でかぶり付き。何と言う贅沢なのだろう。

 ほとんど頭の中を空にして、ただただ彼らの奏でる響きを楽しんできたのだった。その一方で詳しい歌の解説を聞けたこともとても良かったと思う。マルセイユに200ある地区のうちの180を次々歌っていく様を説明してくれたり、全くのアドリブで歌ってみせて、その中に日本のアニメのフレーズを織り込んだりと、普段のコンサートなどでは絶対聞けないような趣向ばかり。

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 前日の東京公演とこの日の講演/ワークショップを通じて数々の人と人との繋がりも新たに生まれた様子。昨年秋のムッスーTに続いて、マルセイユからの風が気持ちよく日本に流れ込み続けている。これがこれからも続いてくれるよう願うばかり。関係者のみなさん、期待しています!





by desertjazz | 2014-03-01 19:30 | 音 - Music
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