読書メモ:高野秀行『西南シルクロードは密林に消える』

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 今回の旅行中に読んだ中の1冊(以下、FB から転載)。

 北極圏からコペンハーゲンに戻る機内で、高野秀行『西南シルクロードは密林に消える』の残りを一気に読了。傑作!

 高野の最新作『謎の独立国家ソマリランド』がとてつもない本だったのと、『《空白の五マイル》~チベット世界最大のツアンボー峡谷に挑む~』の著者である角幡唯介が「私の人生を決めた一冊」と絶賛していたことから、11年前のこの本も読んでみようと思った。

 旅の途中で旅行記の類いを読むのはある種タブーとされ、実際自分もそうしてきているが、今回は全く問題なし。互いに旅の質が違いすぎるので。

 それにしても、中国四川省からビルマを経由してインドのコルカタへと「西南シルクロード」を辿る旅のスケールが圧倒的。そもそも全ての国境越えが不法入国なのだから。

 話は終盤どんどんドラマチックになっていき、後日談に至って爆発する。映画的というか、長編小説1冊くらい簡単に書けてしまいそうなほどのストーリー。いや、その辺のサスペンス/ハードボイルド小説を凌駕している。

 ルポルタージュとしては『謎の独立国家ソマリランド』の方が上だが、紀行もの的な読み物としては『西南シルクロードは密林に消える』が勝っているかも知れない。

 これまでたくさん読んだ旅行記の中で特に好きなのは、ウォーレス『マレー諸島』、ポール・セロー『ダーク・スター・サファリ』などあるが、10冊選ぶとすれば高野の2冊も入るかも(書中で度々言及されている吉田敏浩『森の回廊』も名著だと思う)。

 実際に旅行することは楽しいが、旅行記を読んで得られる楽しみも大きい。





by desertjazz | 2014-03-19 06:20 | 本 - Readings

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