2014年 04月 19日
読書メモ:村上春樹『女のいない男たち』
昨日18日に発売になった村上春樹9年ぶりの短編小説集『女のいない男たち』を読了。
これまでの村上新作のときと同様、直後の具体的感想はしばらく保留(これから読む人の迷惑とならないように…)。
村上の小説を読むとき、主人公がまるで自分であるかのように感じられて重ね合わせてしまうことがある。それも村上小説の優れている点、そして自分が彼を愛読している理由のひとつでもあるのだと思う。そして今回のタイトルは「女のいない男たち」。予想に反して、意外と自身を同化して読むことにはならず。
個人的には全く受け付けられなかった昨年の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』よりはずっと楽しめた。でも短編集としては『東京奇譚集』(と『神の子どもたちはみな踊る』)の方がいいかな。最後の表題作は埋め草と感じられたし。いかにも村上らしいパーツ(巧妙なたとえ、なじみある地名、命名センスなども含めて)が並ぶのだけれど、全体的にはいつもの村上らしさを我慢して抑えた印象もある。
村上の小説は、性や女性の描写の仕方を理由に好まない女性も多くいると聞く。さて世の女性たち、今回はどのように読むのだろうか? そんなことも思いながらの一気読みだった。
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