2014年 04月 24日
読書メモ:国分拓『ヤノマミ』

友人が Facebook にアップしたアマゾンの写真を眺めながら、「アマゾンにも行ってみたかったな」などと思いつつ、最近新潮文庫から出直した国分拓の『ヤノマミ』を読み終えた。
これはブラジル北部、ベネズエラとの国境地帯に暮らす狩猟採集民「ヤノマミ」の村に150日間(2007〜08年)滞在した TVディレクターによる記録。
この類の他の書物と同様、様々なことを考えさせられるが、なんと言っても、出産直後のシーンが白眉。森の中で産み落とされた赤児は、人間として受け入れられるか、あるいは精霊として天に還されるか、母親(それは時には10代前半の少女であったりする)のその瞬間下す判断に全て委ねられる。強烈であり、残酷でもあり、ドキュメタリー/ノンフィクション史上でも希有な衝撃的シーン。ほとんどそれを読むだけでも、価値ある一冊だと思う。
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