2014年 06月 08日
New Disc : V.A. "African Gems" and more (3)

今年4月20日に SWP のマイケル・ベアードから、新作 "African Gems" (SWP 043) を受け取ったときのことは覚えている。強く記憶に残っていることのひとつは「民族音楽がこれほど面白いとは!」といった新たな驚きだった。それから1ヶ月半、今日の日本盤発売まで辿り着いた。
あまりに内容が良いので、CD を送ってくれたお礼のメールをマイケルに書いた中で、思わず「続編は作らないの?」と質問してしまった(気が早い!)マイケルからの回答は「もちろん作りたい。でもその前にアナログ盤を3枚作る」とのこと。その3枚も先日日本に入ってきた。
・ "African Gems" (SWP 044)
・ "Congo Guitars 1952 & 1957: Recordings by Hugh Tracey" (SWP 045)
・ "Congo Traditional 1952 & 1957: Recordings by Hugh Tracey" (SWP 046)
ほとんどが CD で既に発表されたトラックなのだが、"Congo Guitars" にだけは新たなトラックが2つ含まれていて、まずはこのアルバムから聴いてみた。ふくらみのあるアナログの音がとてもいい。これならばアナログ盤も出す意味があるだろう。
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パリを訪れる時にはシャンゼリゼ通りに面した Virgin Megastore は必ずチェックしている。一昨年もイタリアとモロッコからの帰りに新譜をチェックしに行ったのだけれど、CDコーナーが相当規模縮小されていること(と日本から輸入した帯付き盤の多かったこと)には驚いた。そして、その分アナログ盤コーナーが目を疑うほどに拡張されていたことに2度びっくり。
マイケルもメールに書いてきたことだけれど、今欧米ではアナログ盤マーケットが広がっていて将来的にも有望らしい。そういえば、アメリカの KRK は Lobi Traore の録音を新たなジャケットでリリースし直し始めた。Soul Safari の "Township Jive & Kwela Jazz" も、2011年の第1集はアナログとCDの両方で出したのに、昨年の第2集はアナログのみ(HP では CD も出すと告知していたが、半年経った今もまだ出ていない)。

こうした例を挙げていくと切りがないのだが、間もなく欧州盤が出る Teranga Beat の "Dexter Johnson & Le Super Star de Dakar / Live a Letoile" はアナログ2LPは CD より1曲多くて、デジタルダウンロード・コード付きなので、これは CD ではなくアナログ盤を買おうと思っている。
個人的にはアナログの音が好きなので、こうした傾向は歓迎したい。でも作品によってフォーマットが不統一なのは不便だし、結局は必要を感じて、アナログ盤を持っているのに CD を買い直すこともしばしば。
いずれにしても、現在どうしてこれほどアナログ盤が歓迎され売れているのか、ちょっと不思議にも思っているところ。
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話は戻るが、SWP のアルバムは特に日本で売れていると聞く。"African Gems" やそれに続いてリリースされたアナログ盤もたっぷり売れたら、その利益で "African Gems Vol.2" などもリリースしてくれることを期待できそう。そんなことも含めて、今アフリカ音楽のリイシューは日本のワールドミュージック・ファンがある部分を支えている、って風に誇ってもいいなじゃないだろうか。
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(追記)
アフリカ音楽のリイシューでも増えているアナログ・リリースについては、例えば毎年恒例となった Record Store Day や Jack White の活動といったアメリカの動きなども絡めて考えていくと、何か見えてくるのだろう。
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