2014年 06月 11日
Mascarimiri (Part 1)

南イタリアのむっさい野郎たち4人組のマスカリミリ Mascarimiri が突然日本で人気沸騰 ?? 確かに彼らの最新作 "Tam!" はいいね!
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Mascarimiri について実は詳しいことは知らなくて、じっくり調べられずにもいる。伝え聞くところによると、マルセイユを中心とするオクシタン音楽への興味が彼らの音楽へのモチベーションとなっており、特に Massilia Sound System をリスペクトしているとのこと。
Mascarimiri は巨漢の Claudio "Cavallo" Giagnotti を中心に「1997年の夏から 1998年の冬にかけて生まれた」(と公式サイトに書かれている)。マッシリア的レゲエ=ラガ、オクシタンに顕著な汎地中海性、南仏〜北伊のポリフォニー、弾むバルカン・ビート、そして恐らくはイタリア各地方に由来する祝祭感ある音などがブレンドして作られたのが、彼らの音楽だろうと思う(エレクトリックなギターやシンセを押し出したトラックは、ロック色やプログレ色も強い)。確かにマッシリアっぽい面もあるが、Manu Theron の Lo Cor de la Plana のポリフォニー・コーラスからの影響が濃いように思う。しかし、Massilia や Manu 以上に、Sam Karpienia 的なものを強く感じる。荒削りな歌声、楽器構成、ヒリヒリするような緊張感などは Sam Karpienia の一連のユニットのサウンドを連想させるものだ。
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マスカリミリを知ったのは約10年前にマルセイユの MicMac を訪ねて行ったときのこと。MicMac はオクシタン音楽/文化の発信拠点として活動を続けていて、Massilia Sound System や Dupain、Lo Cor de la Plana の面々とも深く関わっている。オックの CD は不思議なことにマルセイユのレコード店などではほとんど手に入らないので(この頃からコンサートなどでの手売りだった?)、ここで買えるだけ買い集めたのだった。
マルセイユに滞在する度に MicMac にお邪魔して集められたのは D'aqui Dab、Mauresca Fracas Dub、Jagdish、Nux Vomica、Original'Occitana などの CD(とデモ盤)や、Massilia、Dupain、Lo Cor de la Plana らが協力して制作したブックCD "Victor Gelu" など。その時オフィスのスタッフに「これも聴くかい?」と薦められたのが Mascarimiri だった。まだ彼らとマルセイユとのコネクションについては知らなくて、「なぜイタリア?」と思いながらも買ってみたのだった。
そうした CD を並べて、彼らの公式サイトのディスコグラフィーも参照しながら、CD/DVD リストを作ってみた。
1) "MASCARIMIRÌ" (1997) *
2) "LI MULE' DE LI GAGGE' " (1998) *
3) "CALABRISA TOUR" (2000) *
4) "KADDÉ" (2002)
5) "ALPHA BASS | TARANTATRACE" (2003)
6) "FESTA" (2004)
7) "TRÍCIU" (2006)
8) "TRÍCIU REMIX" (2007)
9) "DIECI ANNI LIVE TOUR" (2009) *
10) "DIECI ANNI COLLECTION" (2009) *
11) "DIECI ANNI LIVE TOUR" (DVD / 2009) *
12) "TRADIZIONALE" (2010)
13) "GITANISTAN" (2011)
14) "TAM!" (2014)
未聴盤は6枚(*)。さすがに初期の3枚は持っていないし、DIECI ANNI なるコンセプトの3枚も見逃していたが、他の8枚はいつの間にか集まっていた。
MicMac で入手したのは4作目 "KADDÉ" と6作目 "FESTA" の2枚。これらは何度聴いてもぼんやりした印象しか受けなかった。実際 Zebda や Massilia Sound System や Dupain を夢中になって聴いていた頃なので、彼らのようにキラートラックがあるわけでもないので、それは致し方なかったかも知れない。でも、今様々なオクシタン音楽を通過して来た後で聴くと、彼らの狙いも伝わってきて、この2枚も悪くないね。いや、いいね! まだまだ完成途上といった感もあるけれど、彼らなりのミクスチャー・ミュージックになっている。
その2枚の間にリリースされた "ALPHA BASS | TARANTATRACE" は最近 El Sur でゲット。前作 "KADDÉ" のヴァージョンを集めたような内容(曲名は変えているが、同じ曲が多い)。ダブでエレクトリックでダンサブルなリミックスで、タイトル通りトランシー、DJ で使いたくなるようなトラックがずらっと並んでいる。
Mascarimiri を初めていいと思ったのは、同じく El Sur に新譜として入ってきた "TRÍCIU" を聴いてのことだった。中でもヘビー・ロックで、プログレっぽいシンセが麻薬的な "Pizzica Rai" が気に入って、この年(2006年)の年間ベスト・アルバムに選んだような記憶もある。
・ YouTube | Mascarimirì - Pizzica Rai
"TRÍCIU" にはリミックス盤があって、リリース当時には買い逃していたが、これも最近ようやくゲット!
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(ざっと書き始めたら長くなってきたので、続きは後編へ?)
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