Fever Pitch 2014

 いやー、ワールドカップ、楽しかった! 面白い試合が多すぎて、結局ほとんどの試合を、しかもその大部分をライブ観戦してしまった。再放送含めて3回観た試合もあったし、同時進行する1次リーグの3試合目は2台のモニターを並べて観ることになったので、延べ100時間は観たんじゃないだろうか? (深夜1時から生で3試合、それからビデオで2試合と、半日で5試合観た時には、途中で眼球の表面がピチピチ鳴って、後で鏡をみたら真っ赤に内出血。さすがにこの時は不味いと思って目を休めたけど)本当に、誰もが力を出し尽くしたいい大会だったと思う。

 FIFAの腐敗振りは言われている通りだと思うし、判定の曖昧さや不完全さなども認める。けれでも、折角の「4年に一度の世界最大の祭典」(これも FIFA の命名なのかもしれないけれど?)ならば、一緒に楽しんだ方が得だろう。そう決めたものの、前回の南ア大会と同様、現地行きは早々に諦めてTV観戦。原稿の依頼は断り、相談事も全て棚上げ、ブログは完全に休み、ツイッターなどネットからはほぼ離脱。ひたすら試合を見続けた。

 大会が始まる前に決めたことは、とにかく集中して観ること。だから、W杯に関することはネットに一言も書かない。終わってみてこれはその通りになった。時々ツイッターで実況する人がいるけれど、これは自分には無理。一瞬でもモニターから目を離したくないから、できっこない。ビデオ録画してまだ観ていない試合についても余計な情報を目にしたくなかったので、ツイッター実況の激しい方は(一時的に)リムーブ。他のスポーツ競技でも、音楽のライブ会場などでも、しきりにツイートしている人が結構いるけれど、これって個人的には苦手。まあ、楽しみ方は人それぞれでしょう。

 期間中「アフリカのチームを応援しているんでしょ?」と何度も訊かれた。2002年の日韓大会のオープニングマッチ「フランス対セネガル」をソウルのスタジアムのセネガル・サポーター席で観たくらいなので、まあ心の中でひいき目になる気持ちはあった。けれど、組織的な繋がりに欠けるチームが1次リーグで敗退したのは仕方ない、と言うか、それで良かったのだと思う。応援する国を訊かれる度に「特にない」「日本戦にはあまり興味がない」「XXの試合は観なくてもいいかな」などと答えるものだから、毎度不思議そうな顔をされる。だけれど、自分はどこが勝つかという「結果」よりも、とにかく良い試合を観たいという「内容」を求める。だから「XXのような試合を決勝リーグでも観たいと思う? 勝ち残ったら迷惑じゃない?」と訊き返すと、誰もが納得してくれる。音楽にしたって、好きなアーティストの凡庸な音楽よりも、旬のアーティストの音楽を聴いた方が満足できるでしょ!(いや、比較の仕方が違ったかな??)特定の国に勝って欲しいと思うのも、勿論ありです。まあ、楽しみ方は人それぞれでしょう。

 その内容の点では、今大会は本当に充実していた。1次リーグはまるで台本があるかようなファンタスティックな展開が繰り返されたし、決勝リーグは物凄い緊張感の連続。それぞれの特徴が激しく出ていた。

 そうした大会で勝ち残れなかった国の中には、4年前(あるいは1年前)の良いイメージを持ち過ぎたことが敗因となったチームもいくつかあったのではないだろうか? 例えばオランダのロッベンのように4年前と全然変わっていないことに驚かされた選手もいたが、期待通りのプレイを見せられなかった選手たちも目立った。最高のミュージシャンたちや天才学者たちでもいつの間にかキラメキを失っていくことに驚かされるが、これはスポーツの世界も同様。本当のピークはとても短いのだろう。何とも残酷なことだと思う。

 そういった観点からは、人間の弱さだとか、組織のダメなところだとか、時の運だとか、取り巻きたちの金勘定だとか、様々なことの観察もできたように思う。まあ、楽しみ方は人それぞれでしょう。

 サッカーについては素人ながらも、このような諸々の感想も抱いた1ヶ月間だった。さあ、これでやっと眠れる。読書と音楽にも戻れる。…と言いたいところだが、第101回ツール・ド・フランスが始まり、こちらもTV観戦を始めている。さて、普通の生活は一体いつ戻ってくるのだろう?






by desertjazz | 2014-07-14 18:00

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