2014年 09月 10日
Ijaw K7 : Pereama Freetown (2)

Pereama Freetown and His Youth Stars Band of Nigeria "Pereama 93 Vol.6"
(A) Keme - Ebimor Ogbo of Olugboboro
(B) Oyakemeagbeha

Pereama Freetown and His Youth Stars Band of Nigeria "Pereama '94 Vol.7"
(A) Late Mada Ebeyoure (Seibal of Ojobo)
(B) First Ladys Unio of Okpokunou
Pereama Freetown 初期のカセットをもう2本紹介。先の2作の方が優れている印象だったけれど、久し振りに聴いてみるとこれらもさほど遜色ない。というよりサウンドに大差ない。全て片面約15分間ノンストップ、猛スピードでビートの渦が突っ走る。とにかくリズム・アンサンブルとギターのピックングがいい。これくらいの演奏をするバンドならいくらでもありそうにも思えるけれど、彼らのサウンドのベースにハイライフがあるからこそ特別な気持ち良さがあるのだと思う。
前作との違いを挙げるならば "Vol.6" のA面曲がアカペラコーラスで始まっていて、中盤で一瞬 Etoile de Dakar を思わせるンバラっぽい雰囲気になること。B面曲は中ほどでちょっとしたブレイクめいた音のスペースがあり、ここでベーシックリズムの構造が分かりやすくなる。以降ラストまではリズム隊中心のリフレインで少々冗長。若干のアレンジを施してサウンドに展開を生み出している点が、それまでとの微々たる違いといえるだろうか。
"Vol.7" もまあ似たようなサウンドである(…と省略)。こうして90年代の4本を聴いて圧倒されると、Pereama Freetown は初期の他のアルバムも全部聴いてみたくなる。しかし今そうしたカセットを見つけることはナイジェリアでも困難かも知れない。
近年もますます欧米や日本のディガーによってアフリカ各地でレア盤が探し続けられ、時々は価値あるリイシューもなされている。しかし、さすがにカセット音源までは十分に手が回っていないのではないだろうか? 振り返ってみると80年代〜00年代にはカセット・オンリーのリリースも多かった。例えば Youssou N'Dour の最高傑作のいくつかはカセットでしか聴けないし、King Sunny Ade や Sikiru Ayinde Barrister などにもカセットのみの作品があった。もしカセット作品の中で見過ごされているものや忘れ去られようとしているものがあるならば、それは残念なことだと思う。
Pereama Freetown も、素晴らしい "Vol.5" を中心に初期音源をコンパイルして CD 化できないものだろうか。それだけの価値はあると思う。
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