2015年 01月 20日
鈴木裕之『恋する文化人類学者』への追記(2)コリン・ターンブル
鈴木裕之『恋する文化人類学者 結婚を通して異文化を理解する』の中で、著者によって愛情厚く語られるコリン・M・ターンブル。ピグミー(正確にはコンゴ東部の森イトゥリに住むピグミーのひとつ、ムブティ)研究の第一人者である彼の著書(邦訳)について、巻末の「注」で詳しく紹介されているのを見て少々調べてみた。すると取り上げられている7冊とも既に絶版。どれも出てから相当に年数が経過しているので、それも仕方ないか。
でも、『森の民 コンゴ・ピグミーとの三年間』(原題 "The Forest People")ですら現在入手困難なのはとても残念だ。
この本は誰もが認めるごとく、アフリカに関する書物の中でも名著中の名著。私自身もこれを繰り返し読んだおかげで、ピグミーとピグミーの音楽への興味と理解と愛情が深まっていったのだった。ピグミーに関する書籍や写真集、レコードを片っ端から買い集めて愛でるほどに。鈴木氏も「古本で見つけたら即購入、永久保存版である。」(P.245)と書かれているが、正にその通りだろう。ピグミーの音楽に関心のある人全てに読んでもらいたい一冊。
(だからこそ "On the Edge of the Ituri Forest Congo 1952, recordings by Hugh Tracey" の日本盤『イトゥリの森のはずれにて-コンゴ北東部1952』のライナーをあのように書き出したのだったし、ピグミーと共通項の多いブッシュマンにも夢中になっていったのだった。)
私が他に持っているターンブルの本は、『ブリンジ・ヌガグ 食うものをくれ』、『アフリカ人間誌』、『豚と精霊 ライフ・サイクルの人類学』の3冊。残る3冊のうち『ロンリー・アフリカン』がどうしても見つけられない。昔、中村とうようさん(?)がどこかで紹介していたのを目にして、それで探したもののすでに絶版。昨晩もネットで探したものの、やはり見つからない。それだけ出版部数が少なかったのだろうか(他の2冊はまあいいかと思ってパスしている)。
いつか『ロンリー・アフリカン』を読みたいと思っているのだけれど、『森の民』もピグミーの音楽を聴きながら何度でも読み返したい。『恋する文化人類学者』を読んだがために、読みたい本がますます増える一方で困ったものだ。
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