2015年 01月 23日
Organically in San Francisco

昨年末、大晦日の深夜0時に羽田から飛び立ってサンフランシスコへ。アメリカへの旅行は8年振り11回目で、SF に滞在するのはちょうど10年振り。
アメリカにはもう一生行かないつもりだったが、所用が生じて約2週間滞在することに。しかし、年明け早々では観たいコンサートは全然ないし、MoMA も長期改修工事で閉館中。冬なのでヨセミテ国立公園などでキャンプするという感じでもない。用件が済んだらもう何もすることがないかも?
しかし、聞くところによるとサンフランシスコは「食の町」らしい。そこで今回の旅のテーマを「食」にすえて、現地の料理を楽しむことに決めた。
2014年はただただ慌ただしく、連日粗食続き。特に後半は忙しくて、昼飯抜きで仕事したり、晩飯作る元気がなかったり。クリスマスイブも徹夜仕事。とうとう昨年も忘年会等の年末のパーティーは全て欠席してしまった。
美味しい食事から疎遠になってきた欲求不満もそろそろ高まってきたので、これまでの分の埋め合わせを SF で一気に果たすべく、いざ出発。
♪
食べに行きたいと事前にリクエストしておいた店も含めて、SF 滞在中に訪れた店のうちで主立ったところは以下の通り。
・Mandalay Restaurant ビルマ料理店(人気 No.1 の Bruma Superstar よりいいと薦められた)
・Fresca ペルー料理の Nouveau Cuisine
・Bistro Don Giovanni Napa への道行きにあるイタリアン・ダイニング
・Thanh Long SF一美味しいカニ(ダンジネスクラブ )を出すベトナム料理店
・Spruce SF を代表する高級レストラン
・Chef Panisse 世界的に有名な料理人 Alice Waters のバークレーの店
・Contigo Castro Street にあるタパス・レストラン
・Kokkari Tripadviser 5000店中で常時1位のギリシャ料理店
・New Eritrea 絶品のインジェラが食べられるエリトリア&エチオピア料理店
・Zuni 予約の全然取れないアメリカン・カフェ
・Greens Restaurant Marina にあるベジタリアン・レストラン
どこも地元民に大人気のお店で、日本でも知られたところが多い(Spruce や Don Giovanni はミシュラン星付き店)。実際ほとんどの店がウソのような激混み振りだった。なので、すんなり予約が取れたり、たまたま入って席を確保できたりと、短期間にこれだけ廻れたのは奇跡的かも知れない。
いやぁ、どこの料理も本当に美味しかった! このように最高レベルの世界各国の料理を食べられることが SF の大きな魅力なのだろう。でも、途中で刺身や納豆ご飯やカツ丼が食べたくなってしまったので、やっぱり自分は日本人だな。
(これだけ食を堪能できたのには、居候生活だったためにホテル代なしで済んだことが大きい。アメリカの都市では1泊200ドル程度払ってもまともな部屋には泊まれないので、例えば5泊するだけでも15万円程度は覚悟する必要がある。それでも、ただでさえ物価が高いのに、サービス料/チップが20%近く必要だし、円安が急速に進んで、さすがに参った !! )
♪
豪華な食事もいいけれど、今回の SF の食で一番印象に残ったのは「野菜の美味しさ」だった。
アメリカの食と聞いてとっさに連想するのは遺伝子組み換え食品。でも SF ではオーガニックの食材が野菜に限らず溢れている。居候先の近所のそれほど大きくないスーパーでも、写真のような有様だった。魚も肉も好きだけれど、何より野菜が大好きなので、日本で買うと高い種類も含めてオーガニック野菜をこれだけふんだんに食べられるというのは至福の極み。
そして、単にオーガニックで健康的というのではなく、とにかく味が深い。これってとても大切なことだと思う。Alice Waters の出す野菜に至っては信じられないほどに「強い味」だった。
翻って今日本で流通している野菜の味はどうだろう? 普通に売られているのは見た目と大きさばかり重視しているようで、全く味が乏しい。野菜ばかりでなく、フルーツ類にも全然味がない。少なくとも子供の頃に食べた野菜にはもっと味があったと思う。中国の地方の痩せた土地で逞しく育ったトマトや大根の味が恋しくなるほど。どうしてこんなことになってしまったのか?
いろいろ調べ、好みや事情もあって、北海道や関西などの野菜を主に食べている。不味い野菜を食べないで済むならば、多少高くったって構わないと考えて買ってもいる。でもそれでも足りない。美味しい野菜を食べるには、もっと探しまわって手に入れる努力が必要なのだろうか。
SF の物価は想像を越えて高い。しかし、安全で美味しいものにはその価値に見合った支払いをする文化がカリフォルニアでは育まれているという。食に限らず良いものにはそれなりの対価たる金を出すのだという。確かにこれはひとつの文化であり、自分自身もその考えには同意する。
久し振りにアメリカにやってきて、食文化ひとつとってもアメリカの豊かさを痛感させられた。こんな食生活を続けられるのならば、サンフランシスコに住んでみてもいいかな。そんなこともつらつらと頭の中に浮かんできた短いアメリカ滞在だった。


♪
(SF のレストランの詳しいこと、現地のレコード店や収穫盤などについては、時間のできた時に書ければと思います。)
♪
♪
♪