2015年 02月 01日
コリン・ターンブル(2)
「鈴木裕之『恋する文化人類学者』への追記(2)コリン・ターンブル」への追記。
鈴木裕之の新著で紹介されている通り、コリン・ターンブル Colin M. Turnbull の邦訳は7冊(現在全て絶版)。そのうち持っていないのは『ロンリー・アフリカン』の他に、『アフリカの部族生活―伝統と変化』と『異文化への適応―アフリカの変革期とムブティ・ピグミー』。『アフリカの部族生活』の方は安い古本がたくさん出回っている。『異文化への適応』も古本で見つかったが、これがとても高くて手が出ない。
と思ったら、後者の方が(またしても)自宅の本棚にあった。それも原書(英語版)で。一体いつ買ったのか?
・Colin M. Turnbull "The Mbuti Pygmies - Change and Adaptation"
早速拾い読み。『森の民』が読み物であったのに対して、こちらは学術研究書という雰囲気。英語なのでスラスラ読めるとは行かないが、イトゥーリの森周辺の写真がたくさん掲載されていて、それを眺めるだけでも楽しい。
ところでこの英語版も猛烈に高い。わずか150ページほどの薄い本なのに 100ドル近くする。それほど稀少本でもないような気がするのだが…。(そう思って調べ直したら、新品でも安く買えるじゃないか。)
♪
ターンブルの代表作『森の民』は英語版と日本語版を持っている。同じ内容の本を2冊も持っていて無駄ではないかと思われるかもしれないが、そんなことはない。ひとつの理由は写真の質に大きな差があること。気軽に読める日本語版をすでに持っていても、写真を見るために原書を手に入れることには意味があると思う。
それを痛感したのは、オルハン・パムクの『イスタンブール』の英語版を見たとき。この作品はパムクの思い出話と同じくらい、大量に載せられた古のイスタンブールと彼の家族の写真が重要。それなのに、英語版と日本語版とでは写真の解像度に大差がある。邦訳書だけ見てこんなものかと思っていたので、英語版のクリアな写真を目にした時には正直驚いた。これが翻訳書の限界なのだろうか? パムクの『イスタンブール』は原書のトルコ版を是非見てみたいものだ。
♪
♪
♪