2016年 10月 17日
Introduction to Sona Jobarteh

まずは最新シングル "Gambia" の PV をご覧あれ。
+ Sona Jobarteh - GAMBIA (Official Video)
この曲は、西アフリカ/マンディングの伝統音楽とモダンなポップミュージックとの良質なブレンドだと思う。ほのかに切なく、それでいて心地よいメロディー。なにより、ソナ姫の清々しい歌声と笑顔に魅入られてしまった。自分にとっては、現時点でこれが今年のベスト・ビデオだ!
ソナ・ジョバテは、西アフリカの伝統的弦楽器コラを演奏する5大一族のひとつの家系に属するのだそう。ただし生まれはロンドン(1983年)であり、冒頭で「ガンビアの」と書いたが、そのガンビアでの実生活はあまり長くないのかも知れない。と言うのも、顔や肌の色を見る限り白人の血も混じっていそうだから(実際、ロンドンの学校を出てもいる)。しかし文献をあちこち探しても、そのような記述は見つからず、この推測が正しいかどうかは分からない。
彼女の一族はマリからガンビアに移住してきた歴史をもち、祖父はコラ奏者の大家 Amadu Bansang Jobarteh とのこと。驚いたことに、現代最高峰のコラ奏者トゥマニ・ジャバテ Toumani Diabate は彼女のいとこだという。3歳の時に兄 Tunde Jegede からコラの奏法を習い、若干4歳にしてステージに立つ。その後は父 Sanjally Jobarteh からも教えを請い、ロンドンで過ごした学生時代はどうやらクラシック方面の勉強もしていたようだ。コラ、ギター以外にチェロも演奏するという。
彼女が注目されている大きな理由は、女性にも関わらずコラを演奏するから。コラの演奏法は、限られた一族の間で、父から息子へと代々受け継がれてきた。その長い歴史の中に初めて登場した女性がソナ。コラを演奏する主要一族で初のプロのコラ奏者なのだそうだ。
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ソナは最近出てきた新人なのかと思っていたのだが、調べて見るとすでに様々な活動を重ねていることは分かった。意外と経験豊富(その辺りの詳細については改めて紹介してみたい)。例えば、カサンドラ・ウイルソン Cassandra Wilson、デイモン・アルバーン Damon Albarn、ウム・サンガレ Oumou Sangaré などとも仕事をしている。ロンドンのオーケストラと共演したり、ポーランドの音楽祭に招聘されて中心的役割を果たしたり、ガンビア政府の後援を受けてワークショップを開いたり。映画のサントラを書き、CDにもなっている(未聴)。

(9/22 記 / 10/17 加筆 / 11/1 修正)