2017年 07月 15日
クロ・ペルガグの美しくも不思議な世界 〜カナダの若き鬼才が紡ぎ出す芸術〜(2)
Klo Pelgag "EP" (Release Date : 2012.04.17)
クロ・ペルガグのデビュー作(4曲収録の EP で、ダウンロード販売のみ)。
クロはヴォーカル、ピアノ、ギター、ハルモニウムを担当。他に、ドラム、バイオリン、チェロ、コントラバス、バスーン、クラリネットという7人編成。今後も続く室内楽的な基本編成がこの時点で固まっている。
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(1) Ariane(アリアン)
アリアンとは誰なのだろうか? バイオリン、バスーン、クラリネットなどによるイントロが印象的。歌詞は正直理解が難しい。星や死といったその後も繰り返されるモチーフがすでに登場している。この曲だけからも、クロが文学作品にも興味を持っていて、相当読み込んでいることが推測される。
(2) Comme des rames(櫂のように)
曲調と歌い方とが次々と変化していく複雑さは、正にクロの真骨頂。途中明るいテンポにも転じるが、「櫂をあなたの頭に打ち下ろしたい」などなど、歌詞には少々怖いものがある。ファースト・アルバムにも再収録された、クロ最初期の代表曲。
(3) Les Maladies de Coeur(心疾患)
リリカルで軽やかなピアノも力強い歌い口も印象的なダイナミックな曲。「自ら足を折りました」「キャベツは見つけられませんでしたが、キュウリはありました」「医者は好きじゃない」「私はあなたと成長し続けている」等々、やっぱり歌詞は意味不明? 確かにシュールなのだが、'avec toi'(あなたと共に)というリフレインが切々と心に響いてくる。他者を理解したい、一緒に生きていきたいという気持ちが痛切に伝わってくる1曲。
(4) Tremblements(皮膚の震え)
とても穏やかで優しい曲。アコギ中心の静かなサウンドがとてもいい。「統合失調症の夢」「私は頭をオーブンに置く」「星々は私の太陽」、、、歌詞内容はなかなか難解。
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"Ariane" を除く3曲はファースト・アルバム "L'archimie des Monstres" (のデラックス・エディション)に再収録されたが、いずれも別ヴァージョン。個人的にはこちらの初期ヴァージョンの方が好きなトラックもある。キーもアレンジも異なっており、(2)と(3)はライブでの重要レパートリーになってもいるので、クロ・ペルガグを知るには必聴。
(ここから 500円弱で買えます。)
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