塚田健一の『アフリカ音楽学の挑戦 伝統と変容の音楽民族誌』を読了(この本については別途紹介)。その参考文献リストをチェックしながら、前回の記事で取り上げなかった、ジョン・コリンズ John Collins の著作について調べてみた。
それらのうちの1冊 "West African Pop Roots" (1992) が書架から出て来たので拾い読み。これはコリンズの最初の?著作 "African Pop Roots: The Inside Rhythm of Africa" (1985) に追補したものらしく、彼のその後の著作はこれを出発点として内容を膨らませていったようだ。「西アフリカ」とは言え、彼の著作全般が英語圏西アフリカ音楽に傾倒しているのと同様、ここでもガーナを中心に記述を展開している(英語圏だからなのか?南アにも一章割かれている他、リベリアの章も興味深い)。
そのことを補うべく、仏語圏西アフリカに関しては Flemming Harrev が "Francophone West Africa and theJali Experience" の章を代わりに書いている。"The Lion" をリリースして世界進出するまでの Youssou N'Dour を中心にセネガル音楽史について語られていて、Youssou のダカールでのライブの情景や彼へのインタビューを読んで今から約30年前のことが懐かしくなってしまった。
John Collins "African Pop Roots: The Inside Rhythm of Africa" (W. Foulsham and Co., 1985)
John Collins "West African Pop Roots" (Temple University Press, 1992)
ジョン・コリンズについては、彼がコンサート・パーティーに関して執筆した論文 "The Ghanaian Concert Party : African Popular Entertainment at the Cross Roads" もあったのだが、これを読むには著者本人にリクエストする必要があるらしい。興味はあるが、そこまでして読む必要はないかもしれない。
John Collins "The Ghanaian Concert Party : African Popular Entertainment at the Cross Roads" (Ph. D. Dissertation, State University, 1994)
♪
ガーナのハイライフに関してはこんな著作も見つけた。今年7月に出版予定。どんな内容の本なのだろうか?
Nana Abena Amoah-Ramey + A.B. Assensoh (Foreword) "Female Highlife Performers in Ghana - Expression, Resistance, and Advocacy"
(仏語西アフリカのポップに関しては、昨年パリで入手した Florent Mazzoleni "Afro Pop: L'age D'or des Grands Orchestres Africains" が圧倒的に充実していると考えている。読んで紹介したいところなのだが、フランス語なのでいつ読み終えられるのか定かではない。)