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Music in South Eastern Nigeria (Kalabari Music & Egwu Ekpili)

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 何と、カラバル(カラバリ)音楽のコンピレーションがリリースされていたとは! 完全に見落としていたこのアルバムを慌てて取り寄せて、繰り返し聴いている。

 2005年春に旅したナイジェリアでは色々な体験をした。フェミ・クティを観に行ったニューシュライン New Shrine ではフェラ・クティの長女に面会してご挨拶。レゴスにある書店兼レコード店 Jazzhole では、Bobby Benson "Taxi Driver" の世界初CD化した Evergreeen Music 盤を発見し、また Fatai Rolliong Dollar の復帰を知って彼のそのリバイバル・アルバムも入手。しかし、それらを遥かに超える驚きは「カラバリ音楽」との出会いだった。

 ナイジェリア南東部も音楽の盛んな土地で、イボ・ハイライフ Igbo Highlife(代表格は Chief Stephen Osita Osadebe、Oliver De Coque、Sir Warrior、Celestine Ukwu、Nico Mbarga、Oriental Brothers など)やイジョ・ハイライフ Ijaw Highlife が特に有名だ。そして中心都市ポートハーコートから周辺の地方へ目を向けると、カラバル Calabar などの(ヨルバやハウサに比べると少数派民族の)人々による音楽の存在に気がつく。例えばデルタ地帯へと進んで行った際に、移動の途中に見つけたカセットショップに立ち寄って King Robert Ebizimor や Chief Barrister S. Smooth といったローカル・ミュージックのスターたちを知ったのだった。

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 ナイジェリア南東部のハイライフ・ミュージックは、ローカルなものほどサウンドのストリームが(単調というのではなく)スムーズだという印象を持っている。Pereama Freetown and His Youth Stars Band of Nigeia などは個人的にかなりお気に入りで、いくつかのアルバムは名盤だと思っている。

 カラバルの住むデルタ地帯をさらに深部へと進み、小さな町や村で発見したのがカラバリ(彼の地では Kalabari と呼ばれていた)の音楽だった。チープでドライな響きのエレキギター、シンバル程度のドラムが刻むリズム、それにコーラスだけという実にシンプル、と言うよりスカスカな音楽。それがとてもプリミティブで呪術的に聴こえ、文字どおり圧倒されてしまった。そんなカラバリのカセットを路上の店などで探しまくって少数ならが入手。驚きはそれで終わらない。デルタ末端に近い川沿いの村でのこと。バラック小屋のような酒場を訪ねると、DJがそうしたカセットをプレイし、それに合わせて人々が踊っていたのだ。

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 入手したカセットの中では Opuso Cultural Society of Ke-Kalabari やシェブロンの原油支配に抗議する Ebenezer Cultural Band of Kalabari が特に凄かった! それらは CD-R に焼いて今でも時々聴いている。こんな強烈な音楽、もっと聴きたい。ポートハーコートにはロンドンなどから国際便が飛んでいるので、もう一度訪ねてみたいと思っているのだが、今のところ実現できそうにない。

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 そんなカラバル(カラバリ)の音楽なのだが、もっと都会的な録音を集めたアルバムが2年前にリリースされていたことを今頃知った。CD も出ていたが、オーダーしたのは LP2枚組の方。

"Calabar-Itu Road: Groovy Sounds From South Eastern Nigeria (1972-1982)" (Comb & Razor, 2016)

 残念ながら、私が探し求めているカラバリ・サウンドからはスタイル的に遠く、ハイライフやファンクなど都会的なトラックが中心である。ラゴスなどからの影響を受けたサウンドの多様性が感じられる(フェラっぽいナンバーも収録されている)ものの、全15曲中にこれと言って極め付きのものは見当たらない。しかし、1曲目 Isadico Dance Band of Nigeria の "Mbre Isong" の冒頭にちょっとだけカラバリ流の土着的なコーラスが感じられる。だとすると、もしかすれば本格的なカラバリ・サウンドをリイシューされる可能性もあるということか? 凄惨なビアフラ戦争からそれほど時間が経過していない1972年という時点で、ローカルのポピュラー音楽の録音がなされていたことを知ったのも収穫になった。

  Record Store Day 用にプレスされた?この2枚組(2000セット限定らしいが、完売するはずないだろう)には、ナイジェリア南東部リバー州に関するガイドブック(全44ページ)が付属していて、主要ミュージシャンについても紹介されている。これを拾い読みしていると、またまたポートハーコートに飛んで行きたくなってしまうのだった。



 ナイジェリア南東部には(ハイライフ系に分類されることもある)「ナンブラ北部の音楽でめっちゃ地元密着型」の Egwu Ekpili という音楽もある。今年の7月に名古屋のNさんが多々ご教示くださったので、ここに引用して整理しておこう(Nさんについてのプライベートな情報部分は割愛)。

・きっかけは高橋健太郎氏がツイッターで Christopher Asah and His Seven Seven Group of Enugwu Ugwu Nijoka "Enunka" を取り上げたこと。ナイヤビンギに似ていると感想を綴られていたが、私はこれを聴いてカラバリとの類似性を感じた。

・「この Christopher Asah もそうだけど、(彼はこっちではセブンセブンって言えば誰でも(この Egwu Ekpili 聞いてる人達には)わかる感じです)イボ語で Egwu(エグゥ)=音楽、 Ekpili(エピリ) はこういう楽器の名前。 これはナイジェリアでもわかっている分だと最古の楽器と言われてるらしい。」

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・「もともとはこの Ekpili を使った音楽が Egwu Ekpili と言われていたのが、今ではこういったタイプの音楽全般を指して Egwu Ekpili と呼ばれています。先程アップした写真の Ekpili はかなり古いタイプで、太鼓的に叩いて使うのではなく中に手を入れて揺らして音を発生させる感じらしい。今使われてる Ekpili はちょっと写真見つけられなかったけど、手に持つ感じでシャカシャカ音というかそんな感じの音を出すものらしいです。」

・「(私Dがシェアした)CD屋のウェブサイトにも Egwu Ekpili のミュージシャン達がずらっと並んでいましたが、この音楽はかなり局地的に聞かれてる感じで、場所はアナンブラ州北部のオマンバラ川流域が中心。だから、アナンブラ人でも南部の人は聞かないし(好きな人はいるかも)。他州の人、例えばイモとかは文化も違うからモロッコ?誰、みたいな感じになると思う。」

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(Morocco のカセットも持っていた。)


・「代表的なミュージシャン Chief Ozoemena Nsugbe(オゼメナ・ンスベ)、Morocco Maduka(モロッコ・マドゥカ)、Christopher Asah(クリストファー・アサー aka セブンセブン)、Chief Onwuzuluike Udemgba(オヌズルイケ・ウデンバ)などなど。歌ってる内容は、イボ伝統の大切さとかもあるけど、実は、地域の名士や金持ちは歌手にお金を払って自分の為に歌を作ってもらう文化があるので、人の名前のタイトルだとだいたいそういう歌であの人は偉大とかあれしたこれしたとかそんな感じ。」

・「アナンブラ州でもオマンバラ川流域と書いたけど、だいたいここら辺です。左に太いリバーナイジャが見えるけどその右側の川流域。オマンバラ川が変化してアナンブラという州の名前になりました。」(地図参照)

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・「あと、今ちょっと残念だなと思ってるのは、Ekpili 音楽の後継者がなかなかいなくて、存命で元気なのがモロッコくらい、若い人はどうしても音楽やるなら今の音楽(その方が稼げる)という方向になってしまう。郷土音楽の存続という課題があると思う。」


 Egwu Ekpili の CD はこのサイトを通じて購入可能のようだ。Christopher Asah / His Seven Seven もリストにある。試しに買って見ようかとも思うのだが、現在はネットで聴ける音源もそれなりにあるようだ。




 ナイジェリア音楽も探求し始めると全くキリがない、、、。







by desertjazz | 2018-12-08 14:00 | 音 - Africa
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