アフリカの記憶 001

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 Senegal / Dakar - Gorée 1999

 ダカールの沖合に浮かぶゴレ島の「奴隷の家」へ。
 ここはかつて奴隷の「積み出し」基地だった。
 地階の「搬出口」から大西洋を望む。
 新大陸に送られる人々は、どんな気持ちでこの海を見ていたのだろう。

 2年後、ブラジル東部バイーアのサルヴァドールへ。
 かつて奴隷小屋だったというレストランを訪ねる。
 その地階は奴隷という商品を一時預かる部屋だった。
 大西洋に面した「搬入口」を目にして記憶が蘇る。

 アフリカからの出口と南アメリカへの入口。
 相似する2つは、そっくり重なり合い、そして繋がっていた。
 地球は小さい、絶望的なまでに。
 時間と空間が消え去り、目眩をおぼえた。


*1999年に初めてセネガルへ、そして2001年には初めてブラジルへ。時を隔てて目にしたふたつのゲートがぴったり重なり合い、この上なく重く暗い凄惨な歴史がズドンと腹に落ちてきた(奴隷の家のその出口は、’Door of No Return’ と呼ばれている)。

*(余談になるが、サルヴァドールのそのレストランには私の写真が飾ってあるそうだ。2016年にサルヴァドールを再訪した時、見てこれば良かった。)


**追記:この写真は2000年、2回目のセネガル旅行の時のものだったかも知れない。後日確認予定。






by desertjazz | 2020-05-14 00:00 | 旅 - Abroad

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