
Botswana / Kalahari 1993
Night in Kalahari - 1
最初の驚きは月の明るさだった。
夜中でも本が読めるほどの輝き。
これは日本でも特段珍しいことではないだろう。
東京に住んでいると、月明かりを意識することが少ないだけで。
カラハリ砂漠まで連れてきてくれた学者と語らう。
「流れ星を見たことがほとんどないんです。」
「ここにいればいくらでも見られますよ。ほら。」
その瞬間、目の前を眩い光芒が素早く通り過ぎた。
星空をじっと見上げていると次々光が流れる。
またひとつ光が走る。
「あれも流れ星ですか?」
「いや、あれは人工衛星です。」
カラハリ砂漠の真っ只中から眺める夜空は本当に明るい。
天の川も信じがたいほどくっきりと見える。
周囲360度、真っ直ぐな地平線に囲まれる。
その上に、満天の星が輝く。
まるでプラネタリウムの中にいるようだ。
いや、違う。
反対だった。
プラネタリウムこそが、この夜空を模しているのだった。
*カラハリ砂漠の中央でブッシュマンたちと過ごした3週間は、驚きの連続だった。この体験については書き尽くせない。カラハリに関しては随時書き加えたいと考えている。(カラハリでの砂漠体験が強烈だったから、その後も世界中の砂漠を巡り続けているのかもしれない。)
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