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アフリカの記憶 023

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 South Africa / Johannesburg 1995

 ソウェトを訪ね歩いた翌朝、ホテルをチェックアウトしようとフロントへ。ランドで支払うには現金が少し足りない。そこで両替を頼むとなぜか断られる。さらには「クレジットカードもトラベラーズチェックも午前中は使えない」の一点張り。何ともおかしな話だ。ではどうすればいいかと問うと、向かいに銀行があるから両替して来てくれと言う。

 面倒だなと思いながらも、諦めてエントランスへ。確かに通りを挟んだ目の前に銀行がある。ところが、そこから一歩踏み出した瞬間、ホテルを警備している警官に止められた。

「行くな」
「そこの銀行に行くだけだ」
「いや、ダメだ」
「たった10m。大丈夫だろ」
「絶対行かせない」
「いや行く」
「ならば付いて行ってあげる」

 実際、その警官は横断歩道を渡る間、ずっと横に寄り添っていた。何を大げさな、というのが正直なところ。米ドルをランドに換金して銀行を出ると、彼はその間も待っており、戻りもぴったり脇についていてくれた。

「ありがとう」
「もし君が一人で出て行ったら、影から10人以上の男たちが現れて、身ぐるみ剥がれていたかもしれない。僕はそんな情景を何度も見た」

 彼が話したことは、多分事実なのだろう。アフリカを離れる日に、ここに潜む危険についてもう一度教えられた。


*その時のレシートを見ると、両替したのはわずかに10ドル。しかも20%近く手数料を取られている。まあこれは授業料みたいなものか?

*ジョハネスバーグの市街を撮影した写真は、わずかにこの1枚だけだった(停車中のタクシーの中から撮ったもの)。フィルム時代、シャッターを切るのは必要最小限。この旅は、ヴィクトリア・フォールズを離れた時に、あるいはソウェトを見終えた時点で、実質的に終わっていたのだろう。

*それにしても、この写真から伝わってくるのは広場の長閑さだけ。街の危険度はエリアによるのか、それとも単にあの警官が大げさだったのか。







by desertjazz | 2020-06-05 00:00 | 旅 - Abroad