大混乱続きで歴史的分岐点となること間違いない 2020年も後半に突入。今年前半を振り返ってそのベスト・アルバムを選ぶ時、最有力候補の一つはニヒロシカ Nihiloxica の "Kaloli" だ。ウガンダやタンザニアのジャンクでぶち壊れたダンス・ミュージックをリリースする Nyege Nyege からデビューした当初は、一聴して荒削りすぎると感じてパスしたが(それらのサウンドも今改めて聴くと悪くない)、この Crammed からの新作は凄い!
プリミティヴでトランシーなタイコのアンサンブルは Crammed 好みで、その点は Konono No.1 や Kasai All Stars のサウンドにも通じるものがあるだろう。だが、サウンドのダイナミックさは別物。比較は難しいが、ニヒロシカに軍配を上げたくなる瞬間もある。さらにその上をブーストして歪んだエレクトリックな音が飛び交うのだから、これがアフリカ発のポップ・ミュージック、ましてやウガンダだと、音だけで認識できた人は少ないはずだ。とにかく、久しぶりに「かっこいい」と素直に唸ってしまった。
ニヒロシカのタイコ群にはブガンダ王朝で伝承されてきた形のものも含まれるだろう(ウガンダの伝統的タイコに関しては、SWP による Hugh Tracey リイシュー第一弾の1枚 "Royal Court Music From Uganda" を参照されたい)。実は同様なタイコが拙宅にも2つある。これらはウガンダで直接買って持ち帰ったもの。アフリカの楽器は、日本の湿度の問題等があり、保存が結構難しくて、太鼓なども随分処分してしまった。だが、このウガンダの太鼓は 24年経った今でもメンテなしでコンディションが変わらず、"Kaloli" の音に合わせて叩くのも楽しい。
こうしたタイコがウガンダのカンパラなどで実際に演奏されている様子は、先の「アフリカの記憶 050」で紹介した通り。毎日深夜0時に公開し続けている、その「アフリカの記憶」は、50+1 日連続に達した。実際の旅に出られない今は、過去を振り返るのに良い機会なのだろう。そうした思いもあって、自分のためにこれまでの記録の整理を続けている。しかし、一番やりたいことがまだ形になっていない。なので、「アフリカの記憶」はもうしばらく続けたいと考えている。
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