アフリカの記憶 ー 追憶/追体験する旅

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 昔撮影した写真をネガからスキャンしてデジタル・ファイル化したいと、ずっと前から考えていた。特に 1993年の南ア(カラハリ)取材の写真約1000カットは大半がベタ焼きだけなので、死蔵したままだ。必要な写真を探す時、それをネットにアップしたり人に送ったりする時、プリントからだと手間がかかる。ネット時代、写真をファイル化しておくことの利便性は高い。

 今度の新型コロナウイルス Covid-19 の流行のために、旅行も出張もできないし、外食や外飲みにも行きにくい。その時間を有効活用すべく、これまでできずにいたいくつかのことに手をつけた(その分、読書は極力しないことにした)。思いついて始めたことが私的アーカイブスの整理。そのひとつがフィルムのスキャン作業だ。まずは1990年代のアフリカ旅行の写真から取り掛かっているのだが、記憶にないものが実に多くて驚いた。そのため、旅の日誌や手帳(海外旅行70数回分だけで 100冊を優に超える)を確認しながら進めている。

 そうした写真を眺めている間に、このブログで1日1枚公開することを思いついた。そして始めたのが「アフリカの記憶」。写真だけにして見る人に自由に想像していただくのがいいのか、それとも何らかの説明を加えた方がいいのか、未だに決めかねているのだけれど(最近のセネガル編は日誌体にした)。実は 21年前にホームページ f-beat (Forest Beat / Desert Jazz) をスタートした時、その中で旅行記を綴ることも考えた(方針が固まらず、また忙しすぎて、結局何もできなかったが)。もしかしたらこの「アフリカの記憶」は 21年後にようやく始められた旅行記になっているかもしれない。

 実際始めてみて意外だったことがある。古い写真を見つめつつ過去の旅を振り返る行為が、自分を再び旅している気分にさせたことだ。まるで新たに旅をしているかのようでもあり、とても新鮮な体験だった。

 コロナ禍を含めて現状を冷静に見つめると、今後私が海外に行くことはない可能性が高い。少なくとも、アフリカを旅することはもうないだろう(次回でキリよく 10度目となるアフリカ旅行、南部の砂漠地帯、またはガーナ、ナイジェリアなどの西アフリカ、そのどちらかを1ヶ月程度かけて巡るつもりでリサーチを続けていたのだが)。「アフリカの記憶」は、旅に出られない状況を穴埋めするばかりでなく、それ以上の何か前向きな意味すら与えてくれているように感じる。
 
 なので、毎晩0時に1枚ずつ写真を公開することは、まず第一に自分のための作業になっている。大した旅行はしていないので、せいぜい30日か50日続けられれば良いだろうと思っていたのだが、連続100日に達した。しかし、一番記憶を記録しておきたかった本題にはまだたどり着いていない。なので、「アフリカの記憶 100」までを第1部として、もうしばらく続けてみようと思う。

 2000年頃からコンパクトなデジカメを使い出し、場合によってはフィルムも併用していたが、2004年頃を最後にフィルムからデジカメへと完全に移行した。このまま、デジカメ時代の4つのアフリカの旅について整理してもいいし、「アジア編」を開始するのもありだろう。だが、1993〜2002年の10年間に5度訪れたアフリカ、その追憶の旅はまだ終えていない。アフリカで一番の「記憶」はその過程で残された。なので、「アフリカの記憶 101」から、ひとまず再び 1993年の旅に戻ることにしよう。






by desertjazz | 2020-08-22 00:00 | 旅 - Abroad

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