アフリカの記憶 168

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 Kalahari #68 : Botswana / Okavango Delta 1993

 オカヴァンゴでは、あちこちにこんな標識のようなものが立てられているのを目にした。これはツェツェ蝿を駆除するためのものなのだそう。確か黒人のガイドは、ツェツェ蝿は黒と青に寄ってくると言っていたような記憶がある。

 ディセプション・ヴァレーでゲムスボックを撮影している時、白いシャツを今すぐ脱げと、地元の白人ドライバーに注意されたこともあった。ゲムスボックは白い色に興奮するのだそう。アフリカに来てみて、初めて知ることばかり。


 熱帯の国々を繰り返し旅したので、その都度、熱帯病や熱帯ウイルスについては、かなり勉強した。医学書の専門書店にまでも足を運んで。予防注射は、黄熱病、破傷風、B型肝炎、コレラを接種。抗生物質も毎度多種類手に入れて持参した。

 専門機関で必要な注射を全部打ち終わってからしばらく経って、定期健康診断の時に、主治医に「どうして肝炎の予防接種を受けた? 君は抗体を持っているよ」と訊かれた。どうやら子供の頃に打った注射(昔は注射器は使い回しだった)で感染したものの、発病には至らなかったようだ。そう聞いて、普通に生活していればA型とC型に感染することはまずありえないので、自分は肝炎の心配などほぼないと分かって得した気分になったことがあった(肝炎は D、E、F、、、 等もあるが)。

 黄熱病の予防接種は2度打った。これを打つと微熱が出て体調を崩す人が多いが、幸いなことに自分は全く何も異変を感じなかった。その黄熱病のワクチンはこれまで10年有効とされてきたが、近年の研究で生涯有効であることが明らかになった。ただし、接種証明書の有効期限延長は簡単ではないらしい。なので、次に熱帯に行く時にはまた打たなくてはならないのだろう。その機会があればの話になるが。


 マラリアについても勉強して結構詳しくなった。三日熱、四日熱、卵型、熱帯熱の4種あって(5種という見解もあり)、それぞれの違いを把握するのがまず必須。一番危ないのが熱帯熱マラリアだ。

 色々調べて、マラリアへの完璧な対策のないことを知った。何より望ましいのは蚊に刺されないこと。蚊は炭酸ガスに寄ってくるので、炭酸飲料を控えるのが有効。しかし、アフリカのどこでも半袖半ズボン姿で、ビールをガンガン飲んでいたな。

 マラリアの予防薬(日本では買えない)は短期間だけ試してみたが、すぐに飲むのをヤメた。理由はいくつかある。まず蚊は湿地にしかいないので、乾燥した土地や都市部ではさほど/ほとんど心配ないと知ったから。またマラリア予防薬は肝臓へのダメージが大きいとも聞いたので。なので、2ヶ月以上飲むのは避けた方が良いというのは常識らしい(だから長期旅行者や長期滞在者は飲まない)。

 そういえば、昔、アフリカ某国の日本大使館の医者が「最近中国でマラリアの万能予防薬が開発されたらしい」と話しながら、それを1パック下さったことがある。試しに飲んでみたが、まずくて気分が悪くなったので(アメリカで市販されているビタミン剤並に)すぐにヤメた。未だにマラリアの予防薬は作られておらず、今後も開発に成功する可能性が低いのはご存知の通り?

 もうひとつ、とても重要なことがある。それは、マラリアの予防薬と治療薬とは全く別のものだということ。マラリアの治療薬を長く飲み続けると失明する。そうとは知らず、予防のために治療薬を飲み続けたある超有名な探検家もいたくらいなので(これに関しては、これ以上のことは書けない)、一般の旅行者はなおさら知識がなくても仕方ない分、心配してしまう)。


 ・・・以上は20年前時点での情報です。悪しからず。







by desertjazz | 2020-11-03 00:00 | 旅 - Abroad

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