20〜30年昔に撮影した写真をネガからスキャンしてデジタル・ファイル化する作業を、今年の春に始めて(参考「アフリカの記憶 ー 追憶/追体験する旅」)、これまでアフリカを中心に進め約2000カットまで終えた。そして、毎日その中から1枚を選び、それをこのブログで毎晩0時に公開してきた。
第1部「アフリカの記憶 000」〜「アフリカの記憶 100」1993 - 2002
第2部「アフリカの記憶 101」〜「アフリカの記憶 170」Kalahari 1993
これらの 171回で 90年代を中心とするアフリカの旅については、概ね回顧することができた。記憶に鮮明な瞬間のショットがことごとく残っていないのに対して、動物写真がかなりの数残っているのだが、それらをこのブログで紹介しても面白くはないだろうと思う。
(上の写真はオカヴァンゴのロッジに突然現れたアフリカゾウ。こんな近距離で野生動物を見られるのは珍しいことで、アフリカ旅行の醍醐味の一つだと感じた)。
フィルムのスキャンをやってみてとても残念だったのは、劣化が激しいことだった。拙い写真ばかりだとは言え、もっと早く始めるべきだったと後悔した。それでも、日誌を読み返しながら自分の旅の足跡を辿り直すことは楽しい行為になっている。遠くまで旅に出られない今だからこそ尚更である。そして、実際の旅をできない現状の中で旅を追体験することによって、何かを見出したいと考え続けてもいる。
5月13日に始めた時には、30回も続けられればいいかと考えていたこの連載も約半年間継続。気がつけば、今年も残り2ヶ月を切った。
今から1年前には、今年の5月頃にアフリカ南部か西部を長期旅行したいと考え、徹底リサーチしていた。しかし、それは儚く夢と消え去った(とりあえず延期とは考えているのだが)。10月にはコーカサスの再取材を予定していたが、当然それも不可能になった。
今年パリから帰ってきたのは1月8日。この日、中国で新型コロナウィルスによる最初の死者が出たが、この時点では、その後のことは全く予想できなかった。(帰国翌日に40度近い熱を出した時もコロナと関連づけることは思い浮かばなかった。3月の九州出張では、宿泊先のすぐ近くでコロナ感染者が見つかるなど、コロナとニアミス続き。九州/熊本で最初の感染者が出た日には、熊本空港で発熱。37度以下の微熱で、ただの風邪と分かっていても、念の為にしばらく仕事を休むなど、周囲への気遣いを始めるようにもなった。)
そして、世界的流行は悪い方の予測が当たり、今感染が止まらなくなっている。(今年は来日アーティストとのセッションや取材の予定が数組入っていたのだが、それらも全てキャンセルになったのはとても残念だ。)
1月のパリはロキア・トラオレの3日連続公演を観るのが目的だった。その素晴らしかったことは帰国後に書いた通り。しかし、その後、ロキアはフランスで逮捕され収監。仮釈放されたものの、外交官パスポートを使って祖国マリに逃亡。今や国際手配される身なので、彼女のライブをヨーロッパで(マリ以外で)観られる可能性はもうほとんどゼロだろう。
今年は、東京五輪が中止になり、BLM ムーブメントが拡大し、アメリカ大統領選が大混乱。様々な面で、2020年はまさに激動の1年となっている。
この先、1990年代にアジア諸国やメキシコで撮影したフィルムを整理し、拙ブログで披露することも考えたが、個人的にあまり興味が湧かない。そこで、次は「第3部」として、21世紀に進み、デジカメ時代のアフリカの旅を少々振り返ってみようと思う。
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